アジア各国で協調し、持続可能な経済発展で観光振興を−ATFがタイで開幕

  • 2008年1月23日
 (バンコク発 松本裕一)ASEAN10ヶ国の観光振興をはかるアセアン・ツーリズム・フォーラム(ATF:ASEAN TOURISM FORUM)のオープニング・セレモニーが1月22日、タイ・バンコクで開催された。各国の観光関係省庁の大臣らに加え、日本と中国、韓国、インド、ロシア、世界観光機関(UNWTO)などから関係者が出席、アジア各国が協調し、持続可能な経済発展で観光振興をはかる考えだ。タイ国観光・スポーツ大臣のスウィット・ヨートマニー氏は「我々は競争相手ではなく、パートナー。われわれの目指すところは、文化と自然の資源を慎重に利用しつつ、相互のシナジーを強化する過程で明らかになっていく。ATFは観光の発展を先導、実現し、その結果、観光に関係する全ての人々に相互理解と友情、協調の心が生まれる。タイとしても、今後もアセアン全体の観光の発展に最大限寄与していく」と語った。

 オープニング・スピーチでタイ政府観光庁総裁(TAT)のポーンシリ・マノハーン氏は、「アセアンは世界の中で観光が最も急速に発展している地域の一つ。ATFは、東南アジア各国で協力して旅行商品の質を高く維持する役割を担っている。文化や自然の違いを共有して観光業を振興することで、雇用を創出し持続可能な経済発展につなげることができる」と言及。ヨートマニー大臣も、「今日の旅行者は成熟してきている。観光業に携わる者は、旅行者の求めるもの、旅への意欲に応える努力をしなければならない」と語った。

 日本から参加した国土交通審議官(国際担当)の柴田耕介氏は、「アセアンの国々は明るく元気があり、行政も大胆な施策を展開している。観光庁の設立、日本旅行業協会(JATA)のビジット・ワールド・キャンペーン(VWC)も強くアピールし、日本としてアジア圏の中でできることは多い」と語り、行政として、インバウンド、アウトバウンドをともにサポート強化していく考えを示した。

 なお、ATFは観光行政関連の会議以外に、トラベルマートも併催。今回は、バイヤーが55ヶ国から327人、セラーは446社から586名が集まったという。