2008年の出国者数は1737万人、07年は0.9%減でマイナス成長続く−JTBF予測

方面別では、特にヨーロッパ方面への懸念をあげ、「ユーロ高や燃油サーチャージの影響もあるが、アメリカ方面からの客も減少しており、注意が必要。来年の調査で解き明かしていく」と、現在の検討課題を表明。一方、ショートホール、特に東南アジアへのシフトが長期間続くとして、「近距離デスティネーションは数を稼ぐため安売りが見られるが、海外旅行の価値を下げることになる。近場こそ魅力あることをアピールしなければならない」と力説した。また、「10年前のタイのように、ビジネスで売れた後、観光市場が広がるケースがある」として、インドなど新しい「エマージング・デスティネーション」の登場も予測、数年先をみた長期的な視野での旅行商品の造成、送客をする市場の形成も促した。
▽燃油サーチャージで「旅行を延期」は6%、約8割は「関係ない」
需要への影響について、業界内では現在、燃油サーチャージが話題に上るが、今回の予測に向けたアンケート調査では、海外旅行の計画への影響について「影響なし」が55%、「気にしていない」が23%で、約8割に上った。一方、「旅行を延期した」は6%。ただし、海外旅行市場の延べ数に相対すれば「6%の影響は少なくない」とも述べる。ただし、黒須氏は2008年の予測を2007年と同レベルの微減としたことを「単に燃油サーチャージやユーロ高ではなく、日本の経済構造や国内への関心の高まりなどの気分的な問題」との認識を示した。