じゃらん国内旅行調査、行きたい意向は約9割−対策は着地型旅行か

  • 2007年12月14日
 リクルートのじゃらんリサーチセンターはこのほど、3000人を対象に「じゃらん国内旅行意向調査〜人はナゼ旅に出るのか調査〜」を実施した。これは従来実施してきた実態調査と異なり、人々の旅に出る理由や、旅行に何を期待するのかの把握をめざしたもの。このうち、宿泊を伴う国内旅行について7段階で意向を聞いたところ、最も意向の強い「必ず行きたい」を選択した人が全体の45.2%にのぼり、行きたい意向のある選択肢の合計では89.7%となり、潜在ニーズの高さが窺えた。その一方で、お金と時間が阻害要因となっているという。

 調査では、余暇の過ごし方の選好の把握のほか、旅行に期待する要素などを分析し、消費者を7タイプに分類。旅行への期待要素は先行調査の結果、「旅先特有の体験」、「リラックス」、「異性関係の強化」、「宿」、「温泉」、「スポーツやイベント」、「家族関係の強化」、「料理」の8項目に集約できたという。7タイプは割合の多い順に、「欲張りアクティブさん(21.4%)」、「出不精くん(17.6%)」、「今こそ行きたいシニア層(16.6%)」、「愛を深めるラブラブカップル(14.0%)」、「温泉リラックス(10.3%)」、「自分の価値観を信じる風来坊(10.2%)」、「はりきり思い出作りさん(9.9%)」。

 リサーチセンター・センター長の沢登次彦氏は、潜在需要の掘り起こしについて、「まずはオピニオンリーダーと考えられる『欲張りアクティブ』層を囲い込むこと」という。また、「はりきり思い出作り」や「カップル」層では、旅行の意向は強いため、金と時間の阻害要因を取り除けば取り込みが可能という予想。一方、旅行に興味を示さない「風来坊」や「出不精」タイプなどについては、「『寝る』、『ボーっとする』、『読書』など競合する多数の余暇活動の中から国内旅行を選んでもらうためには、趣味的なテーマ性のある旅行やそこでしかできない旅行など、着地型旅行を促進することが重要だ」という。

 調査では、これらの結果を踏まえ、「オピニオンリーダーを囲うための、継続した旬で新しい情報の提供」、「『そこで何ができるのか』を重視した旅行スタイルの提案」に加えて、マスに対して「旅の良さを訴える、情緒的なプロモーション」の展開を提言する。じゃらんとしても、国内旅行カンパニーとして6月に初めて47都道府県同時のCMプロモーションを実施したほか、今後はイベントなども開催し、国内旅行全体を盛り上げていく方針だ。