旅行業界の新卒採用、求人倍率は高水準か−離職率は平均12%
このほど、取扱高上位などの基準から選出した旅行会社25社に対し、08年新卒採用の状況を調査した。採用人数を回答した21社(うち1社はデータ非開示)の平均採用人数は110人。採用人数が100名を超えるジェイティービー(JTB)、近畿日本ツーリストグループ、日本旅行、エイチ・アイ・エス(HIS)の4社を除くと40人であった。平均応募人数では全体が4425人で、先の4社以外では1957人。ジャルパックは、2年連続採用実績なし。また農協観光ではキャリア採用を本格化させたため、新卒採用人数は前年より減少した。
この2、3年間の採用人数の推移は、一貫した傾向は認められないものの、新規事業や支店の増減に応じ、調整している社が多い。例えばジャルツアーズでは、ダイナミック・パッケージなど新規事業の展開にむけ、06年卒の12名から07年卒は24名と倍増したが、08年卒では4名とした。またJTBはグループ各社で増減があるものの、全体としてはほぼ横ばい。他方、HISでは支店網の拡大のために07年卒から増加し、日本旅行では団塊世代の退職対策などで3年連続で前年を上回っている。取扱高10位以下の平均採用人数では、06年卒が18.8人、07年卒が24.6人、08年卒が23.1人となるなど、若干の増加傾向となった。
また、求人倍率(採用人数/応募人数)は0.07倍であった。これは就職希望者1人あたり0.07件の内定を得られるということを意味しており、他産業との比較の意味で、例えば2007年卒の公立学校教員採用試験の0.14倍と比較しても、狭き門と言える。逆に1採用枠あたりの応募人数を表す平均採用倍率(応募人数/採用人数)は88.85倍で、このうち約700倍という高い倍率となったツーリストサービスを除くと48.13倍で、採用枠1枠を約48人で争うかたち。とはいえ「売り手市場」を認める会社も複数あり、採用予定数が集まらず追加募集をかけざるを得ない、という会社も見受けられた。JTB、KNT、日本旅行など、応募者数上位5社で全体の応募者数の84.1%を占めており、採用者数では全体の77.1%であることと比較し、大手、あるいは知名度の高い会社に応募が集まっていると言えそうだ。
3年後の離職率については、多くの社が開示せず結果的には12社から回答を得られた。サンプル数が少ないものの平均の離職率は約12%で、一般的な目安とされる30%を大きく下回った。特に離職率の低い会社は、阪急交通社とANAセールス、エムオーツーリスト。エムオーツーリストは採用人数が多くないが、この5年間の退職率が0%という。阪急交通社とANAセールスは、数十名の採用規模に対して1.9%と5.0%。仮に今年の採用人数にこの離職率を適用すると、3年後の退職者数は、阪急交通社が50人中1人、ANAセールスは41人中2人となる。クラブツーリズムは06年から正社員雇用を始めた結果、それ以前の30%から大幅に改善してきたという。
なお、ジェイアール東海ツアーズからは、離職者に対するユニークな取組みの回答が寄せられた。同社では福利厚生として、退職時に登録すると、3年以内であれば復職のチャンスを保持できるという。
この2、3年間の採用人数の推移は、一貫した傾向は認められないものの、新規事業や支店の増減に応じ、調整している社が多い。例えばジャルツアーズでは、ダイナミック・パッケージなど新規事業の展開にむけ、06年卒の12名から07年卒は24名と倍増したが、08年卒では4名とした。またJTBはグループ各社で増減があるものの、全体としてはほぼ横ばい。他方、HISでは支店網の拡大のために07年卒から増加し、日本旅行では団塊世代の退職対策などで3年連続で前年を上回っている。取扱高10位以下の平均採用人数では、06年卒が18.8人、07年卒が24.6人、08年卒が23.1人となるなど、若干の増加傾向となった。
また、求人倍率(採用人数/応募人数)は0.07倍であった。これは就職希望者1人あたり0.07件の内定を得られるということを意味しており、他産業との比較の意味で、例えば2007年卒の公立学校教員採用試験の0.14倍と比較しても、狭き門と言える。逆に1採用枠あたりの応募人数を表す平均採用倍率(応募人数/採用人数)は88.85倍で、このうち約700倍という高い倍率となったツーリストサービスを除くと48.13倍で、採用枠1枠を約48人で争うかたち。とはいえ「売り手市場」を認める会社も複数あり、採用予定数が集まらず追加募集をかけざるを得ない、という会社も見受けられた。JTB、KNT、日本旅行など、応募者数上位5社で全体の応募者数の84.1%を占めており、採用者数では全体の77.1%であることと比較し、大手、あるいは知名度の高い会社に応募が集まっていると言えそうだ。
3年後の離職率については、多くの社が開示せず結果的には12社から回答を得られた。サンプル数が少ないものの平均の離職率は約12%で、一般的な目安とされる30%を大きく下回った。特に離職率の低い会社は、阪急交通社とANAセールス、エムオーツーリスト。エムオーツーリストは採用人数が多くないが、この5年間の退職率が0%という。阪急交通社とANAセールスは、数十名の採用規模に対して1.9%と5.0%。仮に今年の採用人数にこの離職率を適用すると、3年後の退職者数は、阪急交通社が50人中1人、ANAセールスは41人中2人となる。クラブツーリズムは06年から正社員雇用を始めた結果、それ以前の30%から大幅に改善してきたという。
なお、ジェイアール東海ツアーズからは、離職者に対するユニークな取組みの回答が寄せられた。同社では福利厚生として、退職時に登録すると、3年以内であれば復職のチャンスを保持できるという。