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JATA、サーチャージ額検討でクルーズ総額表示の方針が航空にも影響か

  • 2007年12月6日
 日本旅行業協会(JATA)は12月5日の海外旅行委員会において、各地方支部からの出席者も加え、今後の対策について検討した。現在、旅行会社20社超へのヒアリングをしており、ホールセール、リテール、インディビなど業態の異なる企業からそれぞれ意見を聞いており、これらを踏まえて来年2月ごろをめどに旅行業界としての方向性を打ち出す。

 燃油サーチャージ額への対応として考えられる策は、(1)制度として廃止、(2)大韓航空(KE)、ノースウエスト航空(NW)、デルタ航空(DL)が行っているQ運賃として券面額に組み込んで処理する方法の全面的な採用、(3)サーチャージ額を運賃で吸収する形で、額そのものの圧縮(4)商品の総額表示による上限設定、などが主なもの。今回はその中でも旅行業界として対応が可能な表示方法を中心に議論をしたほか、改めて徴収手数料の可能性を軸に検討、さらに消費者が不信感をもつことに対する説明責任をどのように果たすかを話し合い、サーチャージ額の上限を設けることについても業界の意思として航空会社に伝えていく考え。

 こうした航空の燃油サーチャージ額の徴収に対して、JATAはクルーズについて総額表示とする方向性を国土交通省に伝える。クルーズについては、大手クルーズ各社が燃油サーチャージ額を徴収する方向に舵を切っており、1泊1人あたりの設定額に対して客船内での泊数が総額となるが、100日超のクルーズであっても上限は70ドル。このため、1客室あたり140ドルが実質の上限となっているところ。総額表示をするか否かの判断も、外航客船については、国内法の範疇外のため、実質的には自由裁量となる。

 クルーズでの総額表示も踏まえ、日本航空(JL)と全日空(NH)がサーチャージ額の設定が異なる額となったことも再度、見直しをするチャンスと捉えており、出席した沖縄の委員からは、「台湾へ行くサーチャージ額があれば、久米島に行ける」という消費者の意見に代表される海外旅行の需要に直接影響が及ぶ事案も含め、業界としての意見をまとめていく。


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