バレンシア、「火祭り」以外の資源アピールで通年での集客ねらう

  • 2007年12月6日
 バレンシア観光コンベンション局(VLC)は今後、日本人旅行者が集中する「バレンシアの火祭り」だけでなく、年間を通じたさまざまな観光資源をプロモーションによる集客につなげていく。訪問者数は前年比10%増から12%増でこの数年は堅調に伸びているものの、火祭りの時期の訪問が大半を占めるという。現在の季節波動は、火祭りのある3月が年間のピークで、その後は下降し、10月と11月に第2のピークとなる。ただし、2006年は平均宿泊数が従来の平均1.4泊から1.8泊に増加しており、デスティネーションとして一定度の認知が高まっているとの感触もえているようだ。

 VLCプロモーション・デパートメント・ユニット・マネージャーのマキシモ・カルテリオ氏によると、スペイン政府観光局などへのヒアリングの結果、日本人に最も適した資源は、ヨーロッパ最大級の旧市街と判断。これに加え、グルメやサッカーなどの資源の活用を検討する。観光スポットがコンパクトにまとまっていることから、ツアーの組みやすさも訴えていく。

 今後の日本人訪問者数の目標値は、「2008年から2012年までの戦略を近く策定する。おそらく10%から12%の成長率を元に決定する」という。プロモーションについては、3年前からJATA旅行博への出展を継続しているが、先頃はエールフランス航空(AF)、ジェイティービーなどと共同でウェブキャンペーンを実施。今後も、消費者への働きかけを続ける方針だが、「最近の日本人の伸びは、日本の旅行会社がバレンシアの魅力を評価し、送客してくれている」として、業界との関係も重視しており、「主要な旅行会社と協力していきたい」としている。