TIJ、サミット開催、豊かな生活文化が地域活性と観光振興に繋がる

例えば、旅行先として人気があるイタリアのローマ時代の遺跡は、本来生活の質の向上をめざして作られたもの。また、現代文化で注目されるデザインや料理も、もともと個人主義の文化が強く、自らをよく見せ、快適に過ごそうとした工夫で作られたもので、これが海外から人をひきつけるほどに発展したと説明。単に観光を演出する文化の掘り起しだけでなく、その文化を永続的にする取り組みでなければ、真の地域振興に繋がらないと警鐘を鳴らした。
一方、現代の日本については、海外の知識人は日本の芸術文化に憧れがあり、若い人は今の日本のライフスタイルに興味があるとして、この先日本人が今の生活を続けていくことが、世界の憧れに繋がるとした。そのため、今後はアーティストのみならず、文化コーディネーター、プロデューサーが重要な役割を持つ。しかし、日本には絶対数が少なく、人材育成も今後の課題であるとした。
▽国交省副大臣・松島氏、秋休み浸透へ文科省に働きかけ
ツーリズムサミットの来賓挨拶で登壇した国土交通省副大臣の松島みどり氏は、TIJが推進する「秋休みキャンペーン」に触れ、「子供は学校があり休みが難しいかもしれないが、親が休みの時には子供が旅を目的として一緒に休み、旅の感動を分かち合うことも人生では大切」として、実現できるように文部科学省に働きかけたいとの考えを示した。