ヨーロッパ、観光情報のポータルサイトを開設−日本では携帯版の展開も視野

  • 2007年11月19日
 ヨーロッパ・トラベル・コミッション(ETC)は11月16日、加盟する39ヶ国の旅行、観光情報を集約した日本語版サイトを開設した。2002年にEU理事会で欧州全体として各国、各都市への入り口として位置づけるサイト開設を決定し、2006年3月にアメリカ版(英語)、カナダ版(英語、フランス語)、ブラジル版(ポルトガル語)を開始。4月にはメキシコやアルゼンチンを対象市場とするスペイン語版を立ち上げ、9月にはヨーロッパ、アジア、オセアニアなどを対象とする英語版のサイトの運用を開始している。今回の日本語版の開始は日本に事務所を置く各国観光局の協力により、日本語化を進めた。

 ETCオンライン・マーケティング・マネージャーのカリーナ・ブリューレ氏によると、アメリカ版では1人あたり4ページから5ページを閲覧し、目的の観光局のサイトへとアクセスしており、開設の目的を果たしている。日本でのインターネット普及率からアメリカ版と比べ「より多くのアクセスに期待している」といい、これにより旅行需要の喚起につなげたいという。また、日本で普及する携帯版にも関心が高く、「全世界での展開に先駆けて試行的に展開したい」と、早ければ来年にも稼動する考え。日本語版は現在、ETC参加の全39ヶ国中、日本にオフィスを置く16ヶ国が参加しているが、「他の国々は既に運用している観光局の動向を見ながら、参考に活動を展開する」(ブリューレ氏)予定で、「互いに学びあうこともETCの良い点」という。

 国レベルの共同プロモーションは近年では、南米4ヶ国のメルコスールの例があるほか、欧州ではクリスマス・マーケットをテーマとし、ドイツ、フランス、スイスなどが共同で展開している。また、オーストラリアのように、各州の観光局が「オーストラリア」として共同で展開する例もあるが、国がこうした規模で共同プロモーションを展開する例は少なく、活動としても注目に値する。日本は特に、ヨーロッパ方面の旅行で周遊型から滞在型へと変化しているものの、周遊型でも歴史、自然、文化などのテーマで旅行する場合も増えている。今後はサイトでの共同プロモーションから、さらに一歩踏み込んだ共同プロモーションにも期待をしたい。


▽ヨーロッパ・トラベル・コミッション
http://www.visiteurope.com/jp