ジンバブエ、歴史・文化を巡るメディア・ツアー実施、滝以外の広がり提案

  • 2007年11月16日
 ジンバブエ・ツーリズム・オーソリティ(ZTA)は10月7日から19日まで、日本、韓国、中国、タイ、香港のメディアを招待し、視察ツアーを実施した。同国の観光はビクトリアの滝が主力商品であるが、ZTAでは来年度にかけ、文化的側面からも促進をはかる。現地のショナ語で「石の家」の意味がある「ジンバブエ」には、花崗岩などの石の遺跡が多数存在する。これらの遺跡には南アフリカや、ドイツなどのヨーロッパ諸国から観光客が訪れるが、日本をはじめアジアでは今までほとんど露出されることがなく、メディア・ツアーにより認知度を高めるねらいだ。

 今回のツアーではグレート・ジンバブエ遺跡、マトボス国立公園、エプワス・バランシング・ロックなどを視察。特にグレート・ジンバブエはアフリカ大陸でエジプトのピラミッドに次ぐ第2の石造建築とされており、世界遺産にも指定されている。かつてこの地をおさめていたモノモタパ王国の宮廷が築かれた場所とされているが、起源を含め正式なわり出しはまだされていない。とはいえ、丘を中心に広がる壮大な囲壁と石造建築からなる独特の空間配置からは、この地域に住んでいた人々の典型的な権力と宮廷様式が映し出され、圧巻だ。丁寧な案内をするガイドとともに1日かけてゆっくり見学でき、参加者からは好評を得たという。

 ZTAでは国内の道路網を利用し、ビクトリアの滝からワンゲ国立公園でのサファリ・ツアー、ブラワヨに滞在しマトボス公園の観光、マシンゴに滞在しグレート・ジンバブエの観光をして、ハラレから帰国というツアーで「ジンバブエのモノ商品も可能」とするが、「リピーターが増加した後の長期的なモデルルート」ともいう。当面は現在よりも滞在に日数を延長させることを目標とし、観光のアイコンであるビクトリアの滝とワンゲ国立公園や今回の遺跡群などの素材を組み合わせ、他国との周遊旅行を中心に展開していく考え。今後も歴史文化面を押し出したメディア・ツアーや旅行会社向けのFAMツアーも実施していく予定だ。

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