日韓、08年も交流年−冬柴大臣は日韓訪問者数逆転で政府が出国者「後押し」

  • 2007年9月25日
 日韓観光担当大臣は2008年を「日韓観光交流年」と定め、8項目について共同で取り組むことで合意した。9月21日に大韓民国文化観光部と国土交通省が共同で「2007韓日観光交流拡大の夕べ」を開催、金鍾民(キム・ジョンミン)文化観光部長官と冬柴鐵三国土交通大臣・観光立国担当大臣の間で、8項目の共同声明について書面を交わした。8項目は(1)両国が共同のトップセールスの継続的な開催、(2)青少年交流の促進、(3)姉妹都市を軸とした地方自治体間の交流、(4)両国で開催される観光展への出展、(5)スポーツ、イベントを通じた交流、(6)観光関連施設での日本語・韓国語表記の推進、(7)功労者表彰制度の継続による両国の観光業界の発展、(8)北京オリンピックを契機とする旅行商品の造成と域外からの観光客誘致。

 冬柴国交相は今年の日韓双方向の訪問者がはじめて韓国から日本へのインバウンドが上回ることを受け、「政府としても引き続き多くの日本人に(韓国へ)行っていただくようがんばらなければ」とコメントし、アウトバウンドの重要性も示唆。本保総合観光政策審議官はこの発言について、「日本/韓国間の交流人口が逆転したことを重く受け止め、大臣として見逃すことが出来ないという考えではないか。大臣自らが汗をかかれるということ」として、今後の動きにつながる端緒であることを示唆。また、8項目の具体的な内容は、12月に予定している日韓の二国間の観光協議の場で話し合う予定だ。


▽日本旅行は韓国へのキャンペーンを実施へ

 韓日観光交流大賞韓国文化観光部長官賞に日本旅行が選ばれた。受賞した日本旅行代表取締役社長の金井耿氏は「今回の受賞を機にさらに、韓国への送客をしていく必要がある」とし、「キャンペーンなど常に社内で検討しているが、通常以上の取り組みをしていく」と語り、具体的な内容は言及しなかったものの、今年以上に送客を注力していく考えを示した。また、韓日観光交流大賞韓国観光公社社長賞には日本修学旅行協会も選ばれた。


▽東日本の公立中学校で初の海外修学旅行実施の両国中は来年も継続

 この夕べには東日本の公立中学校で初の海外修学旅行を実施した両国中学校の森本芳男校長なども出席。同氏によると、今年の修学旅行については満足しているとの考えから、来年についてもソウルへの修学旅行を継続していく考え。ただし、価格については「旅行会社や航空会社が努力して、あまり儲からなくともやってくれている」と理解を示しつつ、「修学旅行全体の費用に関する規定があり、多くの費用をかけることもできない」として廉価な運賃の設定などの対応策も求めつつ、満足度の高い旅行を実施できるよう協力を求めていくという。