ニューヨーク市、団塊向けに芸術・文化で需要喚起、イメージ向上にも尽力

  • 2007年9月19日
 ニューヨーク市は今後、団塊世代をターゲットとしたメディア露出を増やしていく方針だ。2015年までに全世界からの旅行者数5000万人を目標としており、その達成のために団塊世代をターゲットのひとつとしている。この度来日したNYC&カンパニー・アジア太平洋ディレクターのヒーリー・松田麻紀子氏は「団塊世代は知的好奇心が強く、常に新しいものを探している人が多い。そんな人々にニューヨークは最適なデスティネーション。暮らすような感覚で気軽に訪れてほしい」と語る。

 そのため、「団塊世代に向けて」というような直接的な露出方法ではなく、自然に興味を持つような音楽、芸術、アート、歴史、映画などのテーマを打ち出し、需要喚起を図る。具体的にはミッドタウンの楽器街やローワーマンハッタンの歴史的スポットなどを紹介する予定で、既に各ホールセラーにもこれらテーマに基づいた商品造成を促しており、今後も旅行業界向けには同局のウェブサイトで情報を提供していく考えだ。

 一方で市全体のイメージ向上にも力を入れる。例えば、空港に到着した瞬間からアットホームな雰囲気を感じてもらうために、アメリカン航空(AA)と協力し、現地で役立つ情報を記載した「10 Tips to New York City」と、同市在住の有名人が勧めるスポットを紹介するウォーキングマップをAA機内で配布。さらに宿泊施設にも協力を促し、市全体で旅行者への歓迎ムードを作っている。これらは先日発表したキャンペーン「Just Ask The Locals(ニューヨーカーに聞くのが一番)」の一環。松田氏は「アメリカ旅行は、入国審査の対応などでイメージの向上が課題となっているが、ニューヨークではこれにいち早く対応している。ニューヨーカーはもともとフレンドリーな気質。キャンペーンを通して多くの方々に知ってもらいたい」と意欲を示した。

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