ブラジル観光公社、「潜在力強い市場」と期待、文化的観光素材も訴求へ

  • 2007年9月19日
 ブラジル観光省が2003年に設立したブラジル観光公社、プレジデントのジャニーネ・ピレス氏が来日。日本市場に対する今後の方針と、具体的な活動方針について語った。日本人のブラジル観光は、イグアスの滝やアマゾンなどの自然を目的とした旅行がメインだが、今後は自然に加えて音楽、ダンスなども、文化に旅の目的を求める旅行者にアピールしたいという。これらの活動から、同公社は日本人の数値目標を2006年の7万5000人から、2008年は10万人、2010年には15万人を目指す。

 同公社では国別マーケティングプラン「アクアレラ計画」のなかで、22の最優先国を選定。日本は15番目の順位に位置し、アジアで一番重要なマーケットと位置づけている。アジア諸国は「遠い」という条件が一定であるが、「移民」という歴史的なつながりが、知人訪問という大きなマーケットを生み、それをフックにした観光のポテンシャルが高いと考えるからだ。来年の「移民100周年」に対する期待も高く、業界向けのセミナーを行い、旅行客増加につなげたい考え。

 今後の日本での具体的な活動としては、JATA世界旅行博などの機会を利用したダイレクトな情報提供と、南米4ヶ国をあわせたメルコスール観光局を通して行う情報提供を2つの柱と捉え、現地と日本の連携を高めていく。セミナーの開催やプレスツアー、日本語パンフレットの充実などは、メルコスール観光局を通して行う。

 なお、ブラジルには日本航空がニューヨーク経由で運航しているが、さらに10月1日からエミレーツ航空(EK)がドバイ/サンパウロ線を就航。ドバイ経由による日本からのアクセスの選択肢として歓迎し、これらの積み重ねによって徐々に需要が増えれば、他の航空会社の刺激となる、と期待する。日系航空会社をはじめとした、航空座席増加に向けた活動もしていく。