エルサルバドル、中米一の経済・インフラが振興、新鮮さ売りに需要喚起へ

  • 2007年9月18日
 エルサルバドル観光大臣のルーベン・ロッチ氏が来日し、現状と今後の戦略を語った。同国は1992年に終結した内戦以降、再建に取り組み、GDP成長率は05年が19%、06年が17%と世界平均の4%より大きく突出。また、道路網や83%の電気カバー率など、中米で最もインフラ整備が進んでいるという。さらに通貨が米ドルであることや人々のホスピタリティある資質などを説明し、同国が観光に向いていることを強調。その上で、火山や自然、マヤ文明の「ホヤ・デ・セレン」遺跡、コロニアル都市など、多様な観光素材が2万1000平方キロメートルの狭い国土に点在することを紹介し、短時間で観光地を巡れるメリットもアピールした。

 エルサルバドルでは06年、観光省を設立。「2014年国家観光計画」を作成し、14年までに200万人以上の誘客を目指した取り組みを強化している。06年は外国人訪問客数が前年比で17%増加。そのうち日本人は1000名ほどだが、207年は1月から7月までに1600人と50%増加しており、ロッチ氏は「小さいけれど重要。これを機に伸ばしたい」と意欲を語る。

同省では昨年から全世界に対し、MICEを誘致し、各個人の需要拡大を図る戦略を立てており、北米市場を中心に実績があったという。日本では長期的プロモーションが必要だ見ており、その施策として旅行会社によるリテールセールスの増加とメディア露出での認知度向上を図る。特に、団塊世代の大量退職に注目し、新デスティネーションである新鮮さを訴求して、着実に推進していく予定だ。

 なお、同国の観光の窓口は在日大使館を通して行っている。今後は同省として中米諸国に呼びかけ、共同で東京事務所を開設したい考えだ。


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