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ブラジル、08年に日本人10万人目指す−日伯交流年の記念行事で需要増に期待

  • 2007年9月13日
 ブラジル連邦共和国観光大臣のマルタ・スプリシ氏が来日し、ブラジル日本移民100周年となる日伯交流年の2008年に、日本人観光客数を06年比で40%増となる10万人にする目標を明かした。同氏は「日本は遠いこともあり、ブラジルの観光イメージが少ない」として、今後は日本人が好むイグアスの滝やパンタナール、アマゾンなどの自然を中心に、多様な魅力を持つ観光先としてアピールを強化する方針だ。特に100周年の記念式典に「ぜひ皇太子殿下にご来伯いただきたい」と述べ、招待が実現すれば「日本人観光客の良い影響となる」と、ブラジル観光の関心の高まりに期待を寄せる。また、記念事業に対しては民間団体や企業等へも呼びかけをしている。


 日伯交流年にあわせ、ブラジル日本移民100周年記念協会執行委員長の松尾治氏が来日し、100周年の記念事業への来伯促進を目的に、14県庁を訪問。特にスポーツなどの交流事業で、サッカーや野球などが話に出ているという。記念行事はブラジル各州や各町村などそれぞれが企画主体が実施することになっており、既に約70の事業が登録。公式式典として2008年6月18日(開催地:ブラジリア)、6月21日(サンパウロ)、22日(パラナ州)での開催が決定している。また、6月14日から22日までは日本文化週間とするほか、その他も各地で日本文化を紹介するイベントを開催。また、日本各地でも写真展などの開催を予定しているという。

▽ブラジル観光省−歴史遺産や空港拡張など予算投下し、インフラ整備に注力

 ブラジル観光省では06年度には約3億7000万米ドルの予算を投じ、歴史遺産の修復や空港拡張などのインフラ整備するなど、観光産業を経済発展の重要な柱として位置づけている。03年にはブラジル観光公社を設立し、05年には全世界から03年比30%増の535万8170人の誘客に成功。06年は人数が減少したものの、総消費額は前年比11%増の4316億米ドルと増加し「滞在日数が1日から2日伸びた」(スプリシ氏)と観光公社の活動成果が現れている。また、2005年からの長期的マーケティングプラン「アクアレラ計画」も実施中で、日本を含む18の重要市場での調査を元に、今後は対象市場にマッチした観光分野のピーアールを展開。07年には6400万米ドルの予算を用意しているという。