スペイン・ガリシア州、世界遺産など文化と自然の組み合わせで誘客へ

  • 2007年9月12日
 スペインのガリシア州は今後、州都であるサンティアゴ・デ・コンポステーラの世界遺産をはじめとした文化と自然の組み合わせ、日本人の誘客を図る。ガリシア州の世界遺産は、「サンティアゴ・デ・コンポステーラの旧市街」や、同市への巡礼路である「サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」、3世紀の遺産である「ルーゴのローマ城壁」。ルーゴのローマ城壁は、保存状態がよく、頂上が約4メートルほどの幅の歩道となっており、散歩することも可能だ。また、ロマネスク様式やバロック様式など建築物も多様。自然面では、大西洋に面した海岸やブルガスなどの温泉地などを有する。また大西洋で獲れる豊富な魚介類や、多雨な気候による良質な野菜、ワインなども魅力だ。特に魚介類はスペインの総水揚げ量の50%を占めるほどで、新鮮なものを手ごろな価格で楽しむことができる。伝統的な調理法も素材の良さを活かすもので、スペイン・ガリシア州自治政府革新・産業省観光局本部長のルベン・カミロ・ロイス・ゴンザレス氏は、「日本の味覚に近いものがある」と説明する。

 またゴンザレス氏は、近年サンティアゴ・デ・コンポステーラに近いラバコヤ空港に、ヒースローやパリ、アムステルダムなどの複数の都市から新たな航空路が開設され、各都市から2時間程度で到着でき、アクセスが改善されたことを強調。その上で、ガリシア州での滞在の一例として、「内陸部の小さな町や村、海沿いでは漁村などの田舎で、地元の生活に溶け込むような土地の雰囲気を味わえる宿で1泊から2泊し、地元のものを食べるのは魅力だ。その土地の貴族の館や修道院などを巡るのも楽しめる」と語る。また、サンティアゴ・デ・コンポステーラに2泊ほどし、大聖堂と旧市街を観光するルートが従来一般的であったことに対し、ガリシアを中心にレオンやブルゴス、アビラ、あるいはポルトガルなどを組み合わせたツアーを提案した。

 なお、ガリシア州を訪れる日本人の数は現在年間1万2000人ほどで推移しており、1999年段階に比べると約2倍に伸びている。同州はこのほど初めて、これらのテーマに基づいて日本語の冊子2種類を作成。それぞれオールカラーで80を超えるページ数の中で、州内の観光の魅力を紹介した。JATA旅行博で配布するほか、残部をスペイン政府観光局のオフィスに設置する予定。また、今後の情報発信の手段としては、ウェブサイトやメールニュースを検討しているという。