KNT再編(2)−店頭販売事業「対面販売の能力を高める」


店舗事業については、このところ注目されている高級店舗「ラグゼ 銀座マロニエ」はECC事業部にあることから、再編に伴う統合の対象外となる。ただし、KNTは東京・錦糸町で第1号店となるトラベル・ブティック・オリナス錦糸町を昨年開設し、「コンサルティング(相談)&コミュニケーション(対話)」のコンセプトを打ち出している。既に、関東圏以外に札幌の新店舗へも導入しており、これについては統合した新会社で、新たなコンセプトを受け継ぎ展開をしていくようだ。このコンセプトは、概ね上々に推移していると見られ(参考:「KNT、次世代店舗」記事)、各店舗にどのように活用するか、今後の店舗展開や売上増を占う重要な戦略だ。
店舗数の増減については、ツーリストサービスは年間7店舗から8店舗の順増であることから、KNT分とあわせ、年10店舗の純増を想定。現在のKNT、ツーリストサービス合算した270店舗から、約10店舗を加えて新会社が発足する見込みだ。東京、名古屋、大阪を中心に出展し、特に東京については「厚くしていきたい」という。ツーリストサービスのヨドバシカメラ、イトーヨーカドなどの出店が一つの特徴だが、KNTは旅行関連事業で先ごろイオンクレジットサービスと業務提携を締結しており(参考:「KNT、イオンクレジットサービスと業務提携」)、これを弾みとしたイオンについても出店攻勢も進みそうだ。
なお、人員についてもKNT本体から新会社へ移籍する人員を含め、従業員1900名の見込み。概ね、KNTから1000名程度の転籍が見込まれるが、新たな給与体系をはじめ、既にKNTとツーリストサービスで打ち合わせに入り、詳細を詰めているところ。新会社の名称も決定していないが、9月4日から社内公募を開始しているという。
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