コロンビア、治安の改善を機に観光客誘致開始、来年にはメディア招待予定

  • 2007年9月7日
 コロンビア大使館は、2007年4月に外務省による渡航の危険情報が一部のエリアについて引き下げられたことを受け、2008年にはメディアを対象にFAMツアーを企画するなど、観光客の誘致を開始する。この第一歩として9月6日に、アビアンカ航空(AV)GSAのエア・システムと共同で業界向けの観光セミナーを開催。カルタヘナやボゴダなど、安全かつ魅力のあるエリアや、コーヒー農園で豆摘みとローストを体験して試飲し、お土産として持ち帰るプログラムなどを紹介した。

 コロンビア大使館一等書記官のホルヘ・ニチェベリ氏によると、コロンビアの観光産業はこのところ急速に拡大。訪問者数は、2005年は前年比18%増の93万3244人、2006年は14%増の114万530人となり、2007年もこの傾向を持続。1月から4月の期間、17.6%増を記録しているという。また、新たなホテルも相次いで開業しており、2006年は4037室が新たに稼動した。ただし、訪問者数の約40%は南米の他国から、約24%がアメリカからであり、日本人は「観光ではほとんど行っていない」状態。一方、危険情報の引き下げを受けて、すでに2件から3件のツアーが造成され、カルタヘナなどを訪れるなど、変化の兆しもある。

 セミナーではコロンビアの観光資源として、カリブ海の陽気や海岸、51の自然保護区、数多くのフェスティバルなどを紹介。カルタヘナは世界遺産の町並みと自然、魚介類を楽しめ、ボゴダには塩山をくり貫いて作った「塩の教会」などを有する。また世界有数のさんご礁が観察できるカリブ海のサン・アンドレス島や、サンタ・マルタなども治安が確保され、魅力も高い。アピールポイントは、「日本の5分の1から10分の1」という物価の安さもあり、ホテルは1万円程度で満足できるレベルのものが提供できるという。

 なお、2008年は日本・コロンビア国交樹立100周年で、大使館としてもFAMツアーや文化イベント事業の展開、商工観光大臣の招聘などを予定。来週のJATA世界旅行博については、「今年は(出展に)間に合わなかったが、前向きに検討したい」と意欲を見せた。