現地レポート:マカオ
モノステイ、マカオ中心の周遊ツアー
直行便就航で広がるマカオツアーの可能性
マカオを訪れる日本人の数は7月現在で、2004年4月から40ヶ月連続で増加している。その勢いは今年に入ってからも衰えず、1月から7月の累計では34.7%増の15万2238人と、ますます好調だ。この右肩上がりのトレンドをさらに加速しそうなのが、マカオ航空(NX)の日本就航だ。関西国際空港に就航することから、関西地域でのマカオのモノツアーの商品化など、今後も訪問者の増加が期待される。(取材協力:マカオ観光局 http://www.tabicom.com/macau/ )
◆ 直行便就航でルートに多様性
マカオ航空(NX)は1995年に誕生した、マカオ国際空港を拠点とする航空会社で、現在の保有機材は旅客機で13機。台北、高雄のほか、北京、上海など中国12都市、そのほかバンコク、マニラ、ソウル、そして大阪に就航している。今後も就航地は拡大を目指しており、チャーター便で年内に東京へ乗り入れる計画があるほか、釜山、広州、2008年にはシドニー、2009年にインドへの就航を予定している。このほか、ロンドンやフランクフルト、ロサンゼルスなど長距離路線も視野に入れているという。
従来、マカオへのアクセスは主に、香港国際空港とマカオ・フェリーターミナルを結ぶ「ターボジェット・シーエキスプレス」を利用するケースが多かった。また、エバー航空(BR)を利用した台北での乗継ぎも一部の商品で利用されていた。それに、日本国内からは地方発関空乗継ぎという経路も加わり、アクセス面で利便性が高まる。さらにNXは10月から週3便体制とするほか、来年の夏スケジュールにはデイリー化する計画で、来夏には乗継ぎ便を活用した各地発の商品展開が期待されるところだ。
さらに、直行便の就航により、マカオ・モノに加え、マカオ、香港、深セン、そして広州など、ビジネス面で注目の高い珠江デルタ地域に、観光ルートとしても新しい可能性を提供することができる。この一帯を周遊するツアーの造成にあたり、世界遺産のマカオはハイライトとして打ち出すこともでき、今後のツアーの幅の広がりを期待したいところだ。
▽参考記事
エア・マカオ、10月に週3便の後は来夏にデイリー化へ意欲−羽田も視野
◆ 観光のキーポイント「ウォーキング」
マカオでの観光のキーポイントはやはり「ウォーキング」で街を散策することだろう。例えば、コロアン島の観光名所といえば聖フランシスコ・ザビエル教会があるが、それだけでなく歩いて街の雰囲気を存分に楽しみたいところだ。開発が進むマカオにあって、古い街並みがところどころに残っており、ひと昔前のマカオらしさを体感できるエリアだ。
また、名物のエッグタルトを販売する「ロードストーズベーカリー」は、香港、台湾、韓国、マニラ、そして日本にも出店しているが、やはり本場で味わうことも楽しみの一つ。島内の本店でエッグタルトを注文し、街歩きをする観光客の姿も見受けられた。
コロアン島をはじめ、タイパ島は半日のスケジュールがあれば観てまわることは可能。このあたりはマカオ半島と違い、自然やポルトガルと中国の文化が混在した街並み、そこに住む人々の生活を肌で感じることが出来る地域だ。
時間を贅沢に使って「歩く」ことを勧めることで、「旅行」の楽しさを演出できるだろう。また、今後はコロアン島、タイパ島の間を埋立てたコタイ地区にオープンする各ホテルやエンターテイメント施設などが出揃うと、観光先としてのタイパ島、コロアン島への関心も今以上に高まることだろう。
◆ 生活が息づく世界遺産を体感
マカオは2005年7月、第29回ユネスコ世界遺産委員会で「マカオ歴史市街地区」として世界文化遺産に登録された。マカオ歴史市街地区は22の歴史的建築物と8ヶ所の広場を含む日常生活地域からなる。世界遺産に登録された後もそれ以前と変わらず、生活の場、生活空間そのものに触れることができるのが最大の醍醐味だ。
その特徴は東西文化の交流地として、中国、イスラム、西洋が一帯で感じられること。例えば、マカオの町が形成される前からあったマカオ最大の中国寺院「媽閣廟」を見て5分歩くと、1874年にマカオ警察部隊を補強するためにゴアから派遣されたインド部隊の宿舎として建設された「港務局」があり、イスラム建築の影響を受けたネオクラシック様式に出会える。また、1890年に中国初の西洋式劇場として建設されたドン・ペドロ5世劇場は、公共行事の祝賀会会場として現在も利用されており、往時の雰囲気を漂わせている。
このほかにも、マカオで最も古い教会のひとつ聖ローレンス教会、イエズス会がアジア布教のための宣教師育成のために1728年に健立した聖ヨセフ修道院、聖堂をはじめ、歴史ある建築が立ち並ぶ。この聖ヨセフ修道院は日本でもなじみ深く、日本の歴史の一時期に多くの大名と親交のあったフランシスコ・ザビエルの遺骨の一部が安置してあるなど、日本人の観光客に提供する話題も豊富だ。
これらの世界遺産はそれぞれ徒歩圏内にあり、ウォーキングマップ片手に誰でも簡単に散策できる。世界遺産に認定されている建物や広場は全てがマカオの人々の生活空間にあり、石畳の坂道や、小さなレストランやカフェなど、界隈を歩いているだけで雰囲気を味わえる。街中の看板は世界遺産までの距離と方向を示しており、自分の居場所や目的地までの距離や方向がわかりやすく、一人歩きも安心だ。
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直行便就航で広がるマカオツアーの可能性
マカオを訪れる日本人の数は7月現在で、2004年4月から40ヶ月連続で増加している。その勢いは今年に入ってからも衰えず、1月から7月の累計では34.7%増の15万2238人と、ますます好調だ。この右肩上がりのトレンドをさらに加速しそうなのが、マカオ航空(NX)の日本就航だ。関西国際空港に就航することから、関西地域でのマカオのモノツアーの商品化など、今後も訪問者の増加が期待される。(取材協力:マカオ観光局 http://www.tabicom.com/macau/ )
◆ 直行便就航でルートに多様性
マカオ航空(NX)は1995年に誕生した、マカオ国際空港を拠点とする航空会社で、現在の保有機材は旅客機で13機。台北、高雄のほか、北京、上海など中国12都市、そのほかバンコク、マニラ、ソウル、そして大阪に就航している。今後も就航地は拡大を目指しており、チャーター便で年内に東京へ乗り入れる計画があるほか、釜山、広州、2008年にはシドニー、2009年にインドへの就航を予定している。このほか、ロンドンやフランクフルト、ロサンゼルスなど長距離路線も視野に入れているという。
従来、マカオへのアクセスは主に、香港国際空港とマカオ・フェリーターミナルを結ぶ「ターボジェット・シーエキスプレス」を利用するケースが多かった。また、エバー航空(BR)を利用した台北での乗継ぎも一部の商品で利用されていた。それに、日本国内からは地方発関空乗継ぎという経路も加わり、アクセス面で利便性が高まる。さらにNXは10月から週3便体制とするほか、来年の夏スケジュールにはデイリー化する計画で、来夏には乗継ぎ便を活用した各地発の商品展開が期待されるところだ。
さらに、直行便の就航により、マカオ・モノに加え、マカオ、香港、深セン、そして広州など、ビジネス面で注目の高い珠江デルタ地域に、観光ルートとしても新しい可能性を提供することができる。この一帯を周遊するツアーの造成にあたり、世界遺産のマカオはハイライトとして打ち出すこともでき、今後のツアーの幅の広がりを期待したいところだ。
▽参考記事
エア・マカオ、10月に週3便の後は来夏にデイリー化へ意欲−羽田も視野
◆ 観光のキーポイント「ウォーキング」
マカオでの観光のキーポイントはやはり「ウォーキング」で街を散策することだろう。例えば、コロアン島の観光名所といえば聖フランシスコ・ザビエル教会があるが、それだけでなく歩いて街の雰囲気を存分に楽しみたいところだ。開発が進むマカオにあって、古い街並みがところどころに残っており、ひと昔前のマカオらしさを体感できるエリアだ。
また、名物のエッグタルトを販売する「ロードストーズベーカリー」は、香港、台湾、韓国、マニラ、そして日本にも出店しているが、やはり本場で味わうことも楽しみの一つ。島内の本店でエッグタルトを注文し、街歩きをする観光客の姿も見受けられた。
コロアン島をはじめ、タイパ島は半日のスケジュールがあれば観てまわることは可能。このあたりはマカオ半島と違い、自然やポルトガルと中国の文化が混在した街並み、そこに住む人々の生活を肌で感じることが出来る地域だ。
時間を贅沢に使って「歩く」ことを勧めることで、「旅行」の楽しさを演出できるだろう。また、今後はコロアン島、タイパ島の間を埋立てたコタイ地区にオープンする各ホテルやエンターテイメント施設などが出揃うと、観光先としてのタイパ島、コロアン島への関心も今以上に高まることだろう。
◆ 生活が息づく世界遺産を体感
マカオは2005年7月、第29回ユネスコ世界遺産委員会で「マカオ歴史市街地区」として世界文化遺産に登録された。マカオ歴史市街地区は22の歴史的建築物と8ヶ所の広場を含む日常生活地域からなる。世界遺産に登録された後もそれ以前と変わらず、生活の場、生活空間そのものに触れることができるのが最大の醍醐味だ。
その特徴は東西文化の交流地として、中国、イスラム、西洋が一帯で感じられること。例えば、マカオの町が形成される前からあったマカオ最大の中国寺院「媽閣廟」を見て5分歩くと、1874年にマカオ警察部隊を補強するためにゴアから派遣されたインド部隊の宿舎として建設された「港務局」があり、イスラム建築の影響を受けたネオクラシック様式に出会える。また、1890年に中国初の西洋式劇場として建設されたドン・ペドロ5世劇場は、公共行事の祝賀会会場として現在も利用されており、往時の雰囲気を漂わせている。
このほかにも、マカオで最も古い教会のひとつ聖ローレンス教会、イエズス会がアジア布教のための宣教師育成のために1728年に健立した聖ヨセフ修道院、聖堂をはじめ、歴史ある建築が立ち並ぶ。この聖ヨセフ修道院は日本でもなじみ深く、日本の歴史の一時期に多くの大名と親交のあったフランシスコ・ザビエルの遺骨の一部が安置してあるなど、日本人の観光客に提供する話題も豊富だ。
これらの世界遺産はそれぞれ徒歩圏内にあり、ウォーキングマップ片手に誰でも簡単に散策できる。世界遺産に認定されている建物や広場は全てがマカオの人々の生活空間にあり、石畳の坂道や、小さなレストランやカフェなど、界隈を歩いているだけで雰囲気を味わえる。街中の看板は世界遺産までの距離と方向を示しており、自分の居場所や目的地までの距離や方向がわかりやすく、一人歩きも安心だ。
続々とオープンするマカオのホテル−ヴェネチアン
アジアで最大規模を誇るヴェネチアン・マカオが8月
28日にオープンした。総客室は3000室、全てスイー
トタイプで70平方メートル以上。客室内にはFAX、
コピー機、プリンター、インターネットケーブル、無線
LAN等を備えており、ビジネス目的やコンベンション
での利用も快適だろう。約1万人の従業員のうち、
日本人スタッフはゲストリレーションとして4名から
5名の採用を予定しているという。
また、イベントセンターは1万5000人を収容でき、
主な予定として10月にはNBAのオーランド・マジッ
ク対クリーブランド・キャバリアーズの試合が予定
されているほか、11月には男子テニスのエキシビ
ションマッチとして世界ランキング1位のロジャー・
フェデラー対元世界王者ピート・サンプラスの試合
が予定されているなど、観客を楽しませるイベント
も多く用意する。
そして近年、マカオで最も成長している分野のカジ
ノも世界最大規模の広さを確保。ワンフロアのみだ
が、広さは5万平メートルと東京ドームのグランドと
ほぼ同じ。ブラックジャック、バカラなどのテーブル
は1000卓、スロットマシーンは5000台を用意して
いるという。
コタイ地区では、現在建設中のホテルがほかにも
数軒ある。フォーシーズンズ、シェラトン、シャング
リラなど、世界でも有名ブランドが進出を予定して
いる。また、香港のスタジオシティが建設される予
定で、シアターが6個、カジノだけでも4から5施設
が出来るという。今後、マカオでは「マカオ=カジノ
シティ」だけでなく、エンターテインメント、コンベン
ションなどの開催もアピールしていく。特に、ヴェネ
チアンではNBAの試合をはじめ、シルク・ド・ソレイ
ユなどのエンターテインメントに力を入れる予定で、
昼の世界遺産ウォーキングと夜のカジノやエンター
テインメントと合わせたプロモーションを計画してい
る。
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