求人情報

ドイツ観光局、見本市は需要あると認識−業界への情報提供を継続

  • 2007年8月22日
 ドイツ観光局は8月21日、「ドイツ・メッセ2007」を開催、ドイツ見本市日本代表部8社とミキ・ツーリスト、ワールドホテルズ、スカンジナビア航空(SK)と共同で、旅行会社、企業、自治体に対して、ドイツの国際専門見本市に関する情報を提供した。同観光局は、ドイツの国際見本市には各産業分野のマーケットリーダーが出展しているほか、東ヨーロッパやロシアなどへのアクセス性も良い、といったメリットから日本市場でも需要は十分にあるという認識で、今後も業界への情報提供を継続していく考えだ。

 このうちハノーバー・メッセ国際産業技術見本市は、2008年4月21日から25日の日程で開催されるが、日本がパートナー国として選ばれている。これまでのパートナー国は、パートナーとして開催した年は、出展社とビジターともに前年比2倍増から3倍増と大きな伸びを見せており、ハノーバー見本市日本代表部の村田典子氏は、「日本も2007年の出展者77社、参加者1300名から、300社、2600名程度まで増加させたい」と意欲を見せた。また、フランクフルトでも、2008年2月8日から11日に世界最大の消費財見本市「アビエンテ」が開催されるが、ここでは経済産業省の支援事業「sozo_comm」や、「COOL J」などの企画とともに「日本ホール」が設けられる予定だ。

 ドイツ観光局マーケティング局長の坂田史男氏は、現在の旅行業界の中の「見本市ツーリズム」について、「見本市を専門とする会社が少なくなり、一般の旅行会社は専門的な情報にたどり着きにくく、取次ぎの形態が多くなっている」と指摘。観光局として、今後もセミナーなどで継続して情報発信に務めるほか、旅行会社に対して見本市日本代表部との関係を強く持ち、最新の情報を得られる体制を築くよう訴えていく。

 ミキ・ツーリストからはミキ・ライゼン支配人の若月伸一氏も、「現在取り扱う会社、産業訪問プログラムの取扱件数でドイツはほぼ1位。分野としては、教育をはじめとして、自動車を含む運輸、行政、農業建設、不動産などが多い」ほか、「エネルギーや環境、バイオマス、介護保険の需要も高い」という。ミキでは現在同種のプログラムを拡充しており、比較的取りやすいパターン化しているものが50件程度ある。若月氏は、最近このような視察のプログラムに求められる質が高くなっていることにふれ、「ドイツだけでこのプログラムのために3名従事している」と説明し、見本市と組み合わせて質の高い視察を行えるメリットをアピールした。

 なお、ドイツ国内で開催される国際見本市は年間約150件で、世界の見本市開催数の約3分の2を占める。年間平均では17万社が出展し、約1000万人がビジターとして参加、近年も世界5大見本市とされる建設機械、資材製造・加工および建設用車輌分野のバウマやハノーバー・メッセ国際産業技術見本市が開催されているなど、規模も大きい。

 ドイツ観光局では、旅行会社がドイツの見本市に送客する場合のポイントとして、会場への交通手段と宿泊施設の確保を挙げている。例えば、デュッセルドルフで開催される国際総合印刷機材展「drupa」の場合、期間中21万5600人の海外からの訪問者が入場するが、デュッセルドルフの宿泊施設の総ベッド数は合計で4万ベッド程度。ドイツの新幹線「ICE」などを利用し、1時間程度で周辺都市と会場の接続が可能である場合が多く、「開催都市での宿泊に固執せず、周辺の街の施設を候補として検討するべき」と薦めている。