安徽省黄山、世界遺産、中国古来の文化をアピール、日本での誘客強化

  • 2007年8月20日
 中国安徽省黄山市は今後、黄山や西逓村・宏村をはじめとして自然や中国古来の文化、生活習慣が色濃く残り、「人間仙境」と呼ばれる同市の魅力を訴求し、日本からの集客を目指す。16日に黄山市人民政府副市長の徐健敏氏らが来日し、中国国家観光局と共同で開催したセミナーで方針を示した。

 徐氏によると、黄山市は四季それぞれに趣があり、「水墨画の世界をそのまま目の当たりにできる」という。また、杭州との間を2時間で繋ぐ高速道路ができたことから、従来問題点として挙げられたアクセスの悪さが大幅に改善されたことをアピール。さらに、市内に日本式の露天風呂を備えた温泉施設を建設中であるほか、3ッ星以上のホテルが多数建設されており、2008年末までには合計で約60軒となることを紹介。ただ、観光客に人気の高い黄山の山中での滞在に向くホテルは8軒で、総ベッド数は約4000室に限られる。予約が取りにくいとの声があるが、「黄山市はチャーター便優先政策を取っている。チャーター便を利用した旅行会社に対して、黄山の入山料以外の観光施設などの利用料を6割引とするほか、黄山のホテルを優先的に提供するもの」と説明した。現在までに、日本からの約20機のチャーター便がこの制度を利用したという。

 今後の働きかけについては、「今回は東京のほか、大阪、京都、福岡、広島などに行くが、今後も年に2、3回のペースで情報発信を強化、継続していきたい」と意欲を見せた。また中国国家観光局主席代表の范巨※氏も、「観光資源の質に比べ、日本ではまだ商品が少ない。今後は研修旅行を実施して実際の黄山を体験し、理解を深められるようにしたい」と語った。


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