レイルヨーロッパ、欧州域内の1500キロ圏内は高速鉄道で移動する傾向に

  • 2007年7月13日
 レイルヨーロッパ(RE)はフランス国鉄(SNCF)・TGVのヨーロッパ東線の開通を記念し、東京・表参道ヒルズを利用し、プロモーション・イベントを開催している。このほど、メディアや旅行会社を提唱にセミナーを開催、旅行業界に対して販売促進を呼びかけた。RE社長のピエール・ステファン・オースティ氏は「高速鉄道が連携していることで、欧州域内の旅行では約1500キロメートル圏内であれば、航空機より鉄道を利用している」と述べ、利便性を強調した。特にTGVはパリ/ストラスブール間が従来の4時間から2時間20分に短縮されるなど、時速350キロの営業運航を行っていることで、2都市間移動の利便性が高まっている。このことから、航空路の旅客が鉄道に流れており、東線開通で1ヶ月で既に100万人が利用客に上っている。

 また、REが展開するアジア、オセアニア、南米、アフリカにおいて日本市場は1位を維持していたが、昨年は韓国が売上高で1位となった。これについてREセールスディレクターのフロランス・バスキエ氏は「韓国はバックパックなどパスの販売が多く、リピーターが多く、1都市の滞在が長くなっている日本は二都市間の移動が多く、旅客数では引き続き1位」と語り、今後も日本での販売増に期待を示した。

 流通面ではREは現在、ダイヤモンド・ビッグ、ガリバーズ・トラベル・アソシエイツ、エイチ・アイ・エス、ジャルパック、ジェイティービー、近畿日本ツーリスト、ミキ・ツーリスト、欧州エキスプレスの8社を総代理店として、業界での販売網を確立。この6ヶ月で業界向けのウェブサイトを立ち上げ、業界内取引の利便性を高める。オースティ氏は「総代理店からネットを利用して販売する意向も強く、ホールセラーのサイトからより多くの旅行会社に利用をしていただける」と期待感を示した。

 また、消費者向けのオンライン予約サイトの稼動を開始した。これについてオースティ氏は「あくまで競合他社への対応。BtoBとBtoCでは市場が異なり、こうした対応策の一つ」として、業界、消費者と一体的に日本市場での売上の拡大につなげる考え。


▽高速鉄道のネットワークは今後も拡大へ

 SNCF・TGV統括責任者のベアトリス・シャバネル氏も来日、TGVの今後の展開についても明らかにした。今回の拡大の背景にはフランスのほか、ドイツ、スイス、オーストリア、オランダ、ベルギー、イギリスの欧州7ヶ国で構成するレイルチームの誕生が背景にある。高速鉄道が欧州域内で拡大していく中、各国が協力して鉄道網の充実を進めているという。今後は、スペイン、イタリアの加盟も視野に入れており、将来的にはオランダやオーストリアでも展開する考えがあるという。


▽レイルヨーロッパ
http://www.raileurope.jp