ワールドホテルズ、イン・アウト共に大きく伸び−サイト刷新で予約機能向上

  • 2007年6月29日
 ワールドホテルズ・アジア・パシフィック地区副社長のローランド・イェッゲ氏が来日、現況などを語った。イェッゲ氏によると、日本の業績は順調で、アウトバウンドは15%増から20%増の送客、インバウンドは40%増と強い伸びを示しているという。アウトバウンドでは、ワールドホテルズへの新規加盟ホテルの増加により、顧客の選択肢が増えたことによるものが大きく、日本の海外旅行者数の伸びを超える成長率を記録している。中国・蘇州のガーデン・ホテル蘇州、ベトナム・フエのインペリアル・ホテル・フエ、台湾・台北のサンワールド・ダイナスティ・ホテル台北が加盟するなど、中国、東南アジアのホテルが増加しており、出張を中心とした法人需要に加え、レジャー需要についても、FITを中心に伸びが見られているという。

 こうしたFIT需要の獲得も視野に入れ、ワールドホテルズのサイトを「次世代型サイト」へとアップグレードする計画。これは同社がデラックス、ファースト、コンフォートと3つのカテゴリーに基づき、各ホテルのデザイン、歴史などの特徴をわかりやすく伝えると共に、予約機能を高めるもの。特に、予約機能については英語版などでは、航空券なども予約できるダイナミック・パッケージの導入も検討しているという。今後も、サイトでの予約機能の向上に加え、加盟ホテルについては独立系ホテルのセールスサポートも含み、アジア太平洋地域で年15軒から20軒程度の増加を目指していく。

 インバウンドでは、海外からの需要が伸びていることから、来年にも日本の加盟ホテルに呼びかけ、共同でセールスプロモーションを実施する案を検討している。これは、政府のインバウンド施策による訪日需要の高まりもあるが、日本国内での加盟ホテルとの取組みで、今年の増加を維持、さらに高めることを狙うという。この取組みについては来年にも実現する見通しで、来週にも開催されるワールドホテルズの会議において、正式に決定されるという。

 なお、このほどワールドホテルズ加盟のロンドン、ドレスデン、ジュネーヴ、ロシア、ギリシャ、香港、深圳、インドネシア・ビンタン島の8ホテルが参加したワークショップを開催。イェッゲ氏は「これまではロシアや中東のホテルが日本市場に興味を持っていたが、ヨーロッパのホテルが日本に改めて注目している」と全般的な動向を語り、日本側からは欧州のホテル仕入れが厳しい局面がひと段落したという見方を示した。