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スペイン政観、各地からミッション来日、成長し続ける観光立国を強調

  • 2007年6月25日
 スペインから17の観光関連団体・企業が来日し、スペイン産業観光商務省・観光推進局とスペイン政府観光局は記者会見及びワークショップを開催、スペインの観光の強みと日本市場に対する意欲を示した。

 来日したスペイン観光推進局ディレクター・オブ・ニューマーケットのカルロス・ガジェボ・アバロア氏が現況を説明。2006年は全世界からの訪問者数が前年比4.5%増となる5845万1141人でフランスに次ぐ2位となったが、平均宿泊日数は9.5日で総宿泊日数では1位、観光収入はアメリカに次ぐ2位と、バランスの取れた市場であることをアピール。特に訪問客の80%がヨーロッパからの訪問者で、その70%がヨーロッパ5ヶ国という観光先進国からの支持が高いことも説明する。さらに2020年まではヨーロッパの国々が多いが、徐々にアジア・太平洋地が台頭するとの世界観光機構の予想を紹介。日本については成熟した市場だが、今後も潜在性があるとして「このイベントが日本に対する関心と進出の意欲の表れ」と、日本に対する姿勢を示した。


▽スペインはまだ新鮮なデスティネーション

 このところ、中国人の海外旅行が活発化し、世界各国が中国市場への関心を強めている。一方、日本人観光客は今年、全体的に停滞傾向にあるデスティネーションが多く、特にヨーロッパで伸張する方面は中欧や東欧などの「新デスティネーション」であるため、それ以外では今後の仕入れなどの影響が懸念されつつある。

 これについて、スペイン政府観光局マーケティング・マネージャーの洞澤徹氏は「日本人はスペインの観光資源のうち10%未満しか訪れていないのでは。そういう意味では中欧や東欧などの新デスティネーションと同じ」との考えを示し、旅行業界にはスペインの奥深さとバリエーションの多彩さを理解し、魅力ある商品提供を希望する。ただし、懸念点としてスペインの物価の上昇をあげ、ホテルの価格が「日本と変わらなくなってきている」として、「儲かるデスティネーション」であり続けることを業界とともに考えていきたいとしている。

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