オーストラリア政観、教育旅行先としての優位性を引き続きアピール

  • 2007年6月21日
 オーストラリア政府観光局(TA)はオーストラリア教育旅行セミナーで、治安や時差の少なさ、受け入れ態勢の充実度といったメリットを説明し、さらなる誘客に向けて協力を訴えた。2005年にオーストラリアを教育旅行で訪れた日本人の数は約7万人。この内訳は、修学旅行が約3万8000人、語学研修が2万7000人、留学が1万5000人だ。中でも修学旅行は、2003年と2005年に修学旅行の全渡航生徒数の国別ランキングで首位を獲得するなど、人気のデスティネーションの一つとなっている。

 TAシニア・マーケティング・エグゼクティブの雨宮秀行氏は、オーストラリアでの修学旅行の魅力を、「治安の良さ、充実した医療体制」、「少ない時差」、「温暖な気候」に加え、「教育旅行に慣れた、バラエティ豊かな受け入れ態勢」、「雄大な自然」、「フレンドリーな国民」だという。特に、オーストラリアに修学旅行を実施した教員から、こうした評価が得られていることが特筆すべき点だと強調する。

 また、受け入れ態勢では、各州の教育関係省庁や学校の単位で、英語学習以外にもファームステイや先住民族の文化学習など独自のプログラムを用意。自然では、世界自然遺産の登録数が国別で最多であることもアピールするポイントで、国立公園は53ヶ所にものぼる。こうした情報について、ホームページやセミナー、研修旅行を通して提供し、今後も引き続き修学旅行の誘致を強化する。特にホームページは、事前学習のための政治や経済に関する情報、オーストラリアについてのクイズ、生徒や教員の日記、各州のモデルコースを掲載するなど、生徒と学校側の双方にとって有意義なコンテンツづくりを進めている。

 なお、会場でプレゼンテーションを実施したカンタス航空(QF)は、2005年の統計で日本路線の旅客のうち約16%が教育旅行での利用であったという。現在の定期便の使用機材が、ボーイングB747型機からエアバスA330型機へと変更し、キャパシティが減少した点については、教育旅行の団体予約が入ると確定した時点で調整を進め、機材繰りによりB747型機で運航することも可能と説明する。また、日本航空(JL)は、通常10月から12月に集中する修学旅行だが、オーストラリアの場合は1年を通して催行されている点を重視、座席確保も優先する、としており、航空会社側でも修学旅行の需要獲得を後押ししていく。