イタリア・プーリア州中央部、「遺跡」「食」「自然」をテーマに観光誘致

  • 2007年6月20日
 イタリア・プーリア州中央部の観光振興プロジェクト「プーリア・インペリアーレ」は今後、同地域を「歴史」と「食」、「自然」のテーマとして、日本からの観光誘致を図る。日本市場への対応は、日本語に一部対応したホームページを用意しているほか、9月の旅行博でイタリア政府観光局(ENIT)とともに一般消費者に向けたプロモーションを行う。

 テーマのうち例えば歴史は、イタリアで唯一世界遺産に登録されている「カステル・デル・モンテ」、同じく世界遺産で、接着剤を使わずに石灰岩の塊だけで作られた家々が集まる「トゥルッリ」などがある。特にカステル・デル・モンテは、南イタリアを12世紀から13世紀に支配していた神聖ローマ帝国のフリードリヒ2世が建設したもので、「プーリア・インペリアーレ(帝王のプーリア)」の名前もこれに由来する。またフリードリヒ2世の狩場であったラ・ムルジャや、19世紀のサヴォイア家王妃マルゲリータにささげられた塩田、あるいは中世の聖堂群、歴史的な街並みなども観光スポットだ。

 食では、ワインはイタリアのDOCという審査に通った上質なワインが醸造され、またオリーブオイルやモツァレラチーズ、オレッキエッテ(パスタ)なども名産だ。旅行者向けにはクッキングクラスや、オリーブオイル工場の見学、試飲などのプログラムを用意している。自然面では、地中海植物の宝庫と言われる国立公園が存在し、また石灰岩の多い地域ならではのカルスト地形から、鍾乳洞や洞窟なども多いという。

 さらにそれ以外でも、農園を改装したマッセリアでの宿泊やアグリツーリズムなど素材は豊富だ。プーリア・インペリアーレでは、それぞれのテーマに基づいた3泊から4泊程度のモデルツアーを用意している。ただし、プーリア・インペリアーレ取締役のアレッサンドロ・ブオンジョールノ氏は今後の課題として、現在約10人いる日本語の通訳者の数を増やしていきたいという。