フィンランド、06年夏は宿泊数過去最高−今後もライフスタイルで訴求

  • 2007年6月18日
 フィンランド政府観光局によると、2006年の日本人宿泊数は14万8973泊で過去最高を記録、特に5月から10月の夏期は前年同期比11.7%増の8万8365泊で過去最高であった。月別では8月が2万泊に迫る宿泊数を記録したほか、9月や10月も順調に伸びている。

 2006年6月1日から2006年9月30日までの期間で実施した国境インタビューによると、観光・レジャー目的の訪問は全体の62.5%。パッケージの利用者は40%で、そのうち77%はフィンランド以外の国を含んだ旅程であった。また70%がヘルシンキのみの滞在で、平均滞在日数は2.5泊。平均年齢は46歳で、55歳から64歳が25.5%で最も多く、35歳から44歳の客層も増加傾向を示している。ディスティネーション決定に影響した要素は、雑誌や書籍の記事、テレビ、ラジオなどのメディアが28%で、旅行代理店からの推薦が20.4%に達した。

 フィンランド政府観光局はこの5年ほど、デザインやファッション、音楽などの文化的な情報発信を強化してきており、例えば現在、観光局のホームページに掲載するニュースリリースも、半分以上が音楽や書籍に関するものだ。同観光局日本局長の能登重好氏は、「このような情報を発信することで、フィンランドを知らない、行ったことがない客層を取り込んでいきたい」と話し、全体的な需要拡大という狙いを示した。

 さらに能登氏は、今後の注力するセグメントとして「街歩き・滞在型」の旅行客を挙げた。これは女性に多く、1人ないし友人と2人で一年を通して訪問し、フィンランドのライフスタイルを体験できる旅行を好むタイプ。行動パターンが自由で臨機応変なことも特徴で、選択する宿泊施設にも高級ホテルから割安なビジネスホテル、ホステルまで幅広いバラエティがある。まだこれからの市場だが、今後成長するという見込みで、将来的には一般家庭の訪問やホームステイなどの旅行プログラムの販売に繋げたい考えだ。