伊・ヴェルディ・フェスティバル、音楽と食をテーマに集客を図る

  • 2007年6月1日
 イタリアのパルマで開催される音楽祭「ヴェルディ・フェスティバル」は今後、音楽と食をテーマに掲げ、世界各地からの集客拡大を図り、日本からは毎晩のコンサートごとに50名の集客を目指す。イタリア政府観光局(ENIT)が開催したヴェルディ・フェスティバルのセミナーの中で、メイン会場となるレージョ歌劇場総裁のマウロ・メーリ氏は、団体旅行者向けのプログラムを提供するなどの施策を発表し、協力を呼びかけた。

 これにあわせ、開催期間を従来の5月、6月から、ヴェルディの生まれ月の10月に変更。メーリ氏は「競合する音楽祭が無い上、トリュフなど秋の食材も豊富」と、音楽と食の両面から訴求できるメリットをアピールする。また、団体旅行者向けのプログラムは期間中、毎日提供する。ヴェルディやトスカニーニの生誕地の訪問や、ヴェルディにゆかりのある場所での子供向けイベント、コンサートを行なうほか、講演会、あるいは音楽家によるヴェルディのオペラ27作品の解説に日本語通訳を付けて提供する。観劇後、1日130名限定で、レージョ歌劇場のサロンでスタッフと一緒に食事をするプログラムも用意した。

 また、現地のツアー・オペレーター「パルマ・インカミング」は、この期間中のオペラ鑑賞チケットとホテルの宿泊、観光ツアーなどをパッケージにして販売。代金は、例えばオペラ3演目にパルマ中心地の4ツ星ホテルでの4泊分、チーズ工場や城の見学を含む半日ツアー2回と全日ツアー1回分を含めて、最低730ユーロ(約11万9324円)から。同社は6月20日にENITが開催するワークショップにあわせて来日、参加する予定だ。

 なお、ヴェルディ・フェスティバルは、ヴェルディの生誕100周年を記念して1913年に初めて開催された、ヴェルディの作品のみを上演する音楽祭。気鋭の若手演出家などによる新しい演出や、著名な音楽家を招聘し、今年は「ルイザ・ミラー」や「椿姫(ラ・トラヴィアータ)」などを中心に上演する予定だ。特にヴェルディの誕生日である10月10日、それに12日を加えた2日間は、リッカルド・ムーティ指揮による「レクイエム」を特別コンサートとして企画している。