デルタ航空、チャプター11脱却、新ブランド採用し、国際線拡大路線継続へ

  • 2007年5月7日
(アトランタ発 鈴木次郎 4月30日) デルタ航空(DL)は現地時間4月30日、アメリカ連邦破産法第11条(チャプター11)の適用から脱却、19ヶ月におよぶ再建を終えた。アトランタで開催されたメディア・ブリーフィングでDL・CEOのジェラルド・グリンシュタイン氏は、「国内に配分していた座席の多くを、国際路線に配置し、『ネットワークキャリア』として生まれ変わった」と語り、今後もネットワークキャリアとして、路線網の拡大に意欲を示した。また、同日に新たなブランドイメージをアトランタ空港のDLハンガー内で社員などを集めて公表。チャプター11の脱却と新たなイメージを掲げ、今後の発展を誓った。

 今後、DLでは国際線の拡充を引き続き強化していく。特に、近々の課題としてはアメリカ/EU間のオープンスカイ協定締結で新たな路線の開設として、ニューヨーク・JFK/ロンドン・ヒースロー線を最重要の課題として視野に入れている。グリンシュタイン氏は、ヒースロー空港での発着枠の確保について「3枠は確保できる」という見方を示しており、今後の米欧の航空路線の競争においても、十分に競合していくことができるという見方を示した。

 また、同社はアトランタとJFKの2大ハブ空港以外に、ロサンゼルス空港をアジア方面のハブ空港とし、強みとする中南米のゲートウェイ機能を強化したい考え。ただし、アジア方面については、今年6月から週4便でアトランタ/ソウル線を開設、そのほか来年には上海線の開設を視野に入れ、活動をしているところだ。機材についても、購入計画があるものの、ロサンゼルス発のアジア路線の開設には近々の機材購入計画では間にあわず、2010年ごろにDLのアジア路線開設ということになりそうだ。


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