イタリア政観、「もてなし」の伝統について講演会を開催−交流型観光を紹介

  • 2007年4月24日
 イタリア政府観光局(ENIT)は23日、6月までの期間で実施している「イタリアの春」事業の一環として、イタリアと日本の「もてなし」の伝統についての講演会を行った。演者はローマのラ・サピエンツァ大学教授、ルイジ・サトリアーニ氏で、講演後に大阪外国語大学教授の森栗茂一氏との対談を行った。

 サトリアーニ氏によればイタリアの「もてなし」は、儀式などで培われた「贈り物」の文化と、聖地をめぐる巡礼とが結びついて生まれたもの。言い換えれば、巡礼者に対する「贈り物」が「もてなし」として結実したのだという。その「もてなし」の習慣は、現在でも特に南イタリアなどにある中小の都市で保持されており、またそうした都市では、それ以外にも都市それぞれの生活様式や祭礼など、伝統的な文化が保存されているそうだ。

 対談では、森栗氏が自身の「お遍路」体験について説明、その共通点を見出した。その上で両氏は、「珍しい観光資源を取り上げるだけ」の観光ではなく、地域の「もてなし」や「多様性」に触れられるような、「交流型の観光」の意義を確認してはどうか、という旨の提案をした。