マリアナ政府観光局、座席数増加に向けて航空各社と交渉−関西便が急務

  • 2007年4月24日
 マリアナ政府観光局(MVA)は、日本人訪問者数が2桁の減少を続けている現状をかんがみ、直行便の航空座席供給量の増加を近々に達成させる目標とし、特にノースウエスト航空(NW)の関西便の運休による激減が予想される関西市場で、航空各社と積極的な交渉を行っている。

 MVAは23日、東京でセミナーを開催。縮小傾向にある日本市場の現状について説明し、今後の拡大に向けて旅行会社へ協力を要請した。北マリアナ諸島への昨年度の日本人訪問者は、前年比25%減の28万292人で、さらに今年度の供給座席数は26%減の20万9374席となる見通し。これについてMVAは、2005年の日本航空(JL)によるサイパン線運休に始まる航空座席数の減少がその主たる原因として、特に昨年のNWの関西便の運休など関西市場での訪問者数の減少要因について早期に打開策をとる必要がある、との認識だ。

 MVA局長のペリー・テノリオ氏によれば、現在はJL、NW、全日空(NH)、コンチネンタル航空(CO)などの航空会社と定期直行便の就航について協議している。さらに、MVAでは、燃油価格のグアムとの格差是正、そして適正なツアー価格の設定を可能にするため、インフラの整備とイメージの向上などを模索しているという。また、マリアナ政府は、2007年度(2007年10月〜2008年9月)の日本、中国、韓国向け予算を06年度比で40%増とすることを検討中。正式に決定した場合、航空会社、旅行会社、MVAの共同広告費用として利用し、プロモーションする考えだ。

 また、MVAが昨年9月に公表した「2010年までに年間日本人訪問者数50万人」という目標については難しい課題であるとしながらも、目標の修正はせず、引き続き達成に向けて努力していくと言明。具体的な今後の方向性としては、あらためてディスティネーションとしての「近さ」「自然」、そして「高級なイメージ」をビジュアルでアピールしていく。実際、現在の取り組みとして、現地ホテルにリノベーションなどの投資を働き掛け質の向上を図るほか、日本のシニア向け商品作りを意識した観光素材作りを考案中だ。