観光活性化フォーラム
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現地情報 メルコスール−パラグアイ

  • 2007年4月23日
イグアスの先のコロニアル文化と遺跡

「友情の橋」を車で渡り国境越え

ブラジルやアルゼンチン観光によく組み込まれるイグアスの滝。パラグアイも滝に国境を接する国の一つであるものの、従来はツアーに組み込まれることがあまりなかった。 

ブラジル側のフォス・ド・イグアスからパラグアイへ行く場合、「友情の橋」を渡る。ブラジルから物価の安いパラグアイへ買物に出かける人も多く、橋は普段から賑わっているが、スリやひったくりなどを考えると車で行くのがベスト。国境を越えるまで、パスポートコントロールを通過しても30分もかからない。

パラグアイ側の国境の町は、旅の拠点にぴったりのエステだ。町に入った瞬間、雑然とした雰囲気になる。この町はパラグアイで、治安があまり良くないことで知られているので注意が必要だ。

観光スポットは、世界最大級のイタイプー・ダム、パラグアイ最大のモンダウの滝など。イタイプー・ダムまではエステから車で1時間もかからず、ダム建設の際に保護した動物のいる動物園や先住民グアラニー族の博物館なども付近にあるので、見所がコンパクトにまとめられている。モンダウの滝はイタイプーから車で約30分。イグアスほどの迫力ではないが、日本の滝と比べると圧巻である。

このほか、イグアス移住地もテーマによってはツアーに組み込むのも面白い。住人の多くが日系人で、彼らは今でも流暢な日本語を話すので、交流が楽しいだろう。現在、同集落では日本人観光客の誘致を目指し、ホテル建設や観光案内などのシステム化も検討している。訪問者はリピーターとして戻るケースが多いことからも、その密かな魅力がうかがえる。


エンカルナシオンとアスンシオン

パラグアイ第2の町で、アルゼンチンとの国境を接するエンカルナシオンは、カソリック教会遺跡見学の拠点。世界遺産に登録されているへススとトリニダーの遺跡は、パラグアイに入植したイエズス会が先住民への布教活動のために建設した教化集落である。

へスス遺跡はかつての様子を再現した模型などがあり、なかなかおもしろい。トリニダー遺跡も周辺の景色との調和が見事だ。先住民にキリスト教文化を広めるための建築物が残る様子や、日本を含め数多くの国々からやってきた移民文化が根付いている様子は、きわめて南米らしい一面だ。エステの町から車で4時間ほどと離れているが、ほとんど外国人観光客の来ないエリアだからこそ、昔ながらの姿が残されている。

一方、パラグアイの首都であるアスンシオンは、先住民の民芸品を売るマーケットやかつてのカソリック教会など、ノスタルジックなコロニアル風の町。市内から空港までは近く、1時間もかからない。帰りの飛行機のことも考えて、旅程の最後に組み込むのがベストだ。