今年の新入社員は受身型、上司の期待像にギャップ−年功主義の支持も増加に

  • 2007年4月20日
 日本能率協会が2007年度新入社員を対象に実施した「会社や社会に対する意識調査」によると、今年の新入社員は受身型で、人間関係やコミュニケーションに不安を持っている傾向が強く、理想と現実とのギャップが大きいようだ。

 特徴的だったのが、新入社員が描く上司・先輩の理想像と、上司・先輩の新入社員に対する期待像。新入社員の回答で「人間的魅力のある上司・先輩」(63.0%)、「丁寧な指導をする上司・先輩」(50.6%)が多かったのに対し、上司・先輩の日ごろの新入社員への対応・指導の仕方は「仕事を任せて見守る上司・先輩」(48.0%)、「部下の意見・要望を傾聴する上司・先輩」(36.0%)と、「自ら学ぶ・行動する」ことに期待している。

 一方で仕事をする上での不安に対し、前年に比べ「上司との人間関係」、「同じ職場の人たちとの人間関係」が浮上。ここ数年前から見られた対面コミュニケーションを苦手とする傾向が顕著となった。一方で、「仕事や職場の悩みを相談したい相手」には「上司」が4.7%、社内の先輩が24.8%で、約30%が上司や先輩を頼りにしているようだ。

 このほか、「実力主義と年功主義の会社のどちらか魅力的か」の回答は、ほぼ半々と拮抗。5年前は「実力主義」が73.5%と多かったことから、リストラで苦しむ親の姿を目の当たりにし、競争を避けたい意向が強まったことが伺える。また、仕事と生活のバランスでは、2000年の就職氷河期入社世代が「仕事を優先する」と「どちらかといえば仕事を優先する」があわせて44.1%であったのに対し、今年入社は34.2%と10ポイントほど減退。バブル期入社世代(28.6%)に似た傾向だとしている。