タイ、「量」から「質」へ転換−「アメージング・タイランド」復活し、高価値を訴求

  • 2007年4月3日
 タイ国政府観光庁(TAT)総裁のポーンシリ・マノハーン氏が4月2日、東京で「日タイ観光交流年2007」の詳細を説明、タイの多彩な魅力を反映するキーワードであり、観光客にタイの誇る自然、文化遺産、祭典、タイ人のもてなしに感動してもらうコンセプト「アメージング・タイランド」キャンペーンを復活する旨を明らかにした。キャンペーンは、高価値を求める旅行者をターゲットとし、訪問者数の増加を重視する方向性から脱却し、いわゆる「量」から「質」への転換を図る。マーケティング戦略として、特にMICE、エグゼクティブ層、ゴルファー、ダイバー、健康・美容志向、ハネムーン、家族旅行などに重点を置くほか、高齢者層、医療、ロングステイ、学生旅行、撮影に興味ある旅行者に焦点を当ててプロモーション活動を展開する。

 両国は今年、日タイ修好宣言から120年目に当たり、「日タイ修好120周年」を迎える。これを記念して今年を「日タイ観光交流年2007」とし、日本、タイの各地で多くのイベントが開催される。TATが日本の国土交通省と連携のもと展開する観光イベントなどを通して、「今年が双方の観光を促進させる起爆剤となることと信じている」とマノハーン氏は語り、両国の観光、交流の発展に期待を示した。

 2006年の日本からタイへの訪問者数は前年比9.64%増の130万人を超えた。TATでは2007年の日本人訪問者数目標を前年比7.21%増の148万7000人、観光収入の合計で11.17%増の617億バーツ、一人1回あたりの旅行支出額を3.69%増の4万1492.94バーツと設定する。高価値を求める観光客の増加を目指し、タイ側としてそれに応える高品質の観光素材、サービスを提供していく。これによりリピーターの増加と外国企業によるタイへの投資促進を狙う考えだ。

 また、今年がタイのプミポン国王の生誕80周年に当たることから、TATやタイの航空会社などが協力し、国内の王室指導プロジェクトを訪れるパッケージ旅行を提案。辺境地域の経済の活性化を目的に伝統工芸の保護、産業振興などを図ると共に、高品質の観光素材の提供を目指す。

 なお、当日は日タイ観光交流年2007サポーターとしてお笑いコンビの「ペナルティ」が参加。ペナルティのワッキーはタイに計7回訪問したことがあるほか、15年ほど前にはタイ料理屋で約2年間働いていた経験をもつ。会見では流暢なタイ語とフルーツカービングの腕前も披露するなど、タイの観光をアピールした。