リッツ、本物志向強まる顧客に応えるハード、ソフトで対応−COOクーパー氏

  • 2007年3月29日
 ザ・リッツ・カールトン・ホテル・カンパニー社長兼最高経営責任者(COO)のサイモン・クーパー氏が日本外国特派員協会で講演、現況、3月30日に開業を控える東京に期待することなどを語った。

 クーパー氏は航空、旅行、ホテル、レンタカーなどで構成するツーリズム・インダストリーにおいて、需要、供給のバランスからホテル業界が全体として活況であること、今後は供給が高まり、需要に対応することとなっていくと市場全体を予測。このうち、リッツ・カールトンが主眼を置くラグジュアリー・マーケットは特にニーズの変化が目立ち、客層としては多様な人種、ファミリーでの旅行が増え、「カジュアル・トラディショナル」に変化しているという。変化の一方で、本物志向は強くなっており、チェーンブランドであっても、米・ワシントンと中国・上海でのハード面、ソフト面ともにグローバルで統一するものではないと強調し、東京でもこうした点に配慮したハード、ソフトを提供していくという。

 東京の初日は満室の予約を受けており、東京ミッドタウンの開発構想としても敷地内の55%に緑を配していることから、「リラックスした環境を提供できる」としている。また、日本人と外国人のシェアの予想としては7対3から6.5対3.5を見込んでおり、大阪での外国人シェアが20%から25%程度を目安に想定しているという。

 リッツが展開するバリの宿泊客のうち、50%超が日本人であることも紹介し、東京での展開が日本市場のアウトバウンドにも寄与する考えも示し、オープン直後の6ヶ月が「勝負の時期」と位置づけ。「人員が足りないことは無い」ものの、リッツが重視する従業員が顧客の期待にこたえるサービスを提供し続けられるかが鍵という考えを示した。