添乗員の労働問題、「大きな変革を迫られる年」−TCSA総会で
日本添乗サービス協会(TCSA)は第21回通常総会を開催、役員改選、事業計画などを承認した。このうち、TCSAでは19年度事業について、複数の労働基準監督署から是正勧告があった添乗のみなし労働について大きな変わり目となることを示した。
労働基準監督署などからは添乗業務が「時間管理できる」と指摘されており、旅行会社や派遣会社に対して是正勧告がなされたところ。特に、労基署側は時間外勤務に相当する割増賃金、午前5時以前と午後10時以降の就労に対する法定割増賃金、打ち合わせや清算業務について旅行会社が時間管理可能な就労についての適正な支払いを指摘している。
日本旅行業協会(JATA)、サービス・ツーリズム産業労働組合連合会、TCSAの三者協議で、改めてこれまでの添乗員を「みなし労働」として取り扱ってきた方針がふさわしいとし、労基署、厚生労働省などに三団体会長の連名で今年2月に見解を示しており、5月から6月ごろに回答が示される見込み。TCSAの三橋専務理事によると、「労基署の担当者が、国内ツアーに参加し、労働実態をつぶさに把握している」としており、現在の状況が続くことは行政側も黙認はしないと見ている。
そもそもこの問題は、派遣添乗員が低い賃金、日当で労働していることに遠因がある。旅行会社側はコスト増大につながる問題。TCSAは三団体連名で所轄官庁に示した「みなし労働」の見解は、「添乗員に支払われる給料の上昇に直結して欲しい。時間管理をした場合、業界全体での様々な仕組みを改革する必要から、新たな投資が必要。(TCSAとしては)添乗員への支給額が引きあがる可能性を選んだ」(三橋専務)と、苦渋の選択のよう。
この件に関しては、一部の派遣会社から旅行会社に対して書面を送付、国内添乗は5000円から6000円増、海外添乗は5500円から6500円増を求めているものもある。三橋専務はこうした各社の動きについて「一部の旅行会社では、打ち合わせや清算業務について時間管理し、改善の見られるところもある」と明かしたものの、すでに上期商品のパンフレットも店頭に並んでおり、一足飛びに解決しないものの、JATA経営委員会内の添乗問題検討部会などと協力していく方針。ただし、労基署や厚労省の見解次第で、旅行会社、派遣会社ともに対応を迫られる。さらには、派遣添乗員の若手は添乗生活を始めても、国内バスツアーなど初期段階で添乗業務以外の諸業務の厳しさから、「7割は辞めていく」現状もあり、派遣、社員の添乗業務全体として捉え、改革を進める必要がありそうだ。
労働基準監督署などからは添乗業務が「時間管理できる」と指摘されており、旅行会社や派遣会社に対して是正勧告がなされたところ。特に、労基署側は時間外勤務に相当する割増賃金、午前5時以前と午後10時以降の就労に対する法定割増賃金、打ち合わせや清算業務について旅行会社が時間管理可能な就労についての適正な支払いを指摘している。
日本旅行業協会(JATA)、サービス・ツーリズム産業労働組合連合会、TCSAの三者協議で、改めてこれまでの添乗員を「みなし労働」として取り扱ってきた方針がふさわしいとし、労基署、厚生労働省などに三団体会長の連名で今年2月に見解を示しており、5月から6月ごろに回答が示される見込み。TCSAの三橋専務理事によると、「労基署の担当者が、国内ツアーに参加し、労働実態をつぶさに把握している」としており、現在の状況が続くことは行政側も黙認はしないと見ている。
そもそもこの問題は、派遣添乗員が低い賃金、日当で労働していることに遠因がある。旅行会社側はコスト増大につながる問題。TCSAは三団体連名で所轄官庁に示した「みなし労働」の見解は、「添乗員に支払われる給料の上昇に直結して欲しい。時間管理をした場合、業界全体での様々な仕組みを改革する必要から、新たな投資が必要。(TCSAとしては)添乗員への支給額が引きあがる可能性を選んだ」(三橋専務)と、苦渋の選択のよう。
この件に関しては、一部の派遣会社から旅行会社に対して書面を送付、国内添乗は5000円から6000円増、海外添乗は5500円から6500円増を求めているものもある。三橋専務はこうした各社の動きについて「一部の旅行会社では、打ち合わせや清算業務について時間管理し、改善の見られるところもある」と明かしたものの、すでに上期商品のパンフレットも店頭に並んでおり、一足飛びに解決しないものの、JATA経営委員会内の添乗問題検討部会などと協力していく方針。ただし、労基署や厚労省の見解次第で、旅行会社、派遣会社ともに対応を迫られる。さらには、派遣添乗員の若手は添乗生活を始めても、国内バスツアーなど初期段階で添乗業務以外の諸業務の厳しさから、「7割は辞めていく」現状もあり、派遣、社員の添乗業務全体として捉え、改革を進める必要がありそうだ。