現地レポート:南アフリカ−リピーターも狙えるサファリ体験と滞在を紹介

  • 2007年3月24日
 南アフリカの定番ツアーといえば、大草原のサファリを満喫するゲーム・ドライブを思い浮かべる方は多いだろう。アフリカに棲む野生動物の中でも、ビッグ・ファイブと呼ばれるゾウ、ライオン、サイ、バッファロー、ヒョウを間近に見ることが出来るのはこのときだ。さらに、最近の旅行者の趣向を考えると、サファリの中でもちょっと贅沢な滞在を満喫したいというニーズも多いはず。今回はそんなわがままな要望に応えられる、高級ロッジが並ぶマディクエ・ゲームリザーブと、定番ルートのケープタウンを紹介する。(取材協力:南アフリカ観光局、南アフリカ航空)










アフリカの自然を体験−野生の凄みを感じる場所

 サファリツアーは中央アフリカでも行われているが、南アフリカを含む南部ととの違いは動物の種類と個体数に違いがあるという。例えば、南部では多種類が点在するので茂みに隠れる動物を探しだす楽しみがあり、中央アフリカでは1種類の動物が群なるダイナミックな風景が楽しめる。一度に多くの種類の動物を見たいというアフリカ初心者には、南アフリカを薦めるポイントになる。

 1991年に開園したマディクエ・ゲームリザーブは、28種・約1万頭のもの野生動物が生息する南アフリカ有数の保護区で、その中に質の高いサービスを誇る個人経営の高級ロッジが並ぶことでも有名。ロッジでは他の国立公園、保護区と同様に、レンジャーたちによる「ゲーム・ドライブ」ツアーを、朝、夕の1日2回催行している。

 ゲーム・ドライブはジープなどの車に乗って、野生動物の生活圏を観察しに行くもの。車が進むほどにいつ見られるかという期待感が高まり、草むらに動物を見つければ「単に見る」だけでなく、そのしぐさや表情など、動物を取り巻く空気まで肌で感じられるくらいだ。特に、ライオンは動物園で見るそれとは漂わせるオーラが全く違う印象を持った。これが、「野生の凄み」であり、実際に訪れないと感じ取ることが出来ない感覚だ。

 元南アフリカ観光局日本・韓国地区代表のンディピュエ・ンチュリ氏は「これまでの調査結果によると、高い満足度を得ている」とコメントする。つまり、「見る」だけでなく、「体験する」ことをツアーに組み込むことで、南アフリカのリピーター、ひいては自社のリピーターの増加に繋げる目的型ツアーを企画できる素材なのだ。

 ロッジでは夕食とともに、日本でも話題の南アフリカワインなどを堪能。ロッジといえど、野生の動物たちが生息する大自然の中にあるので、夜間は万一の場合に備え、レンジャーが部屋まで付き添い、送り迎えをしてくれる。昼間、エキサイティングな体験をしたサファリにいながら、安心なスペースで寛ぎ、虫のさえずりが聞こえるほどの静寂さの中で満天の星空を見渡す。日本から遠い大陸での一日の締めくくりとしては、帰国後も忘れられない体験になるはずだ。

最果ての地−ケープタウン

 南アフリカを含む周遊型の旅行商品では、必ずといっていいほどケープタウンを組み込む。最果ての地として知られる「喜望峰」とケープポイント、そしてテーブルマウンテンへの登頂は必須だろう。

 喜望峰は歴史の教科書でもたびたび登場する地名で、1497年にヴァスコ・ダ・ガマが名づけたとして知られるところ。実際に訪れること分かるが、この半島の最南端はケープポイントで、アフリカ大陸の最南端は南東のアグラス岬だ。ケープポイントからはこのアグラス岬を眺められるが、歴史上の「発見」を語り継ぐ地名であるだけに必見の価値がある。

 ここに訪れるまでの道中、ガイドからいくつも沈没船があることを説明される。一見、穏やかに見える海が荒れ狂う海でもあるという自然の脅威とともに、西洋人たちが茶葉や香辛料を求めて東を目指した歴史を説明することで、顧客の知的好奇心をくすぶりたい名所だ。

 また、ケープタウンの中心街から程近くにテーブルマウンテンがあるが、ここもぜひ訪れたい場所。中心街の至るところからこの山を見ることができる、この街のシンボルだ。

 標高1000メートルほどで高い山ではないものの年間で数名は遭難などが出るため、万全の準備を整えて登りたい場所だ。山頂まではロープウェイがあり、これを使うと約5分。回転しながらのぼっていくので、どの座席に陣取っても、テーブルマウンテンの山肌と街を眺めることが出来る。到着した山頂には1700種以上の植物が自生し、花々を楽しめる。