香港、ハブ機能高まり、ビジネス活況−インセンティブ・出張に好影響

  • 2007年2月22日
 香港特別行政区政府、香港貿易発展局、香港政府観光局(HKTB)が合同で春節を記念し、記者会見を開催、現在の香港の経済情勢や観光の動向が上向きにあり、今年は香港の中国への主権返還10周年を機に一段と伸びていく見通しを示した。

 特別行政府駐東京経済貿易代表部主席代表の祝彭婉儀(ジェニー・チョック)氏は「1997年以降、アジア金融危機、鳥インフルエンザ、SARSなど経済的に苦境もあったが、この10年が強固に回復してきた」と捉え、現在は中国本土とグローバル化する世界との玄関口であることを強調した。また、企業の動向として地域統括本部、支社が1997年比で5割増加していることに触れ、香港が中国、東南アジアを結ぶハブであることを強調、継続して発展するために、貿易・物流サービス、金融、小売・旅行関連サービス、専門サービス分野で競争力を強化していく考え。


▽返還10周年の年に、日本人訪問者数「10%増」を目標

 香港への日本人訪問者数は昨年、05年比8.3%増の131万1111人で、特に5月から8月にかけて前年比で増加率が高い。HKTB日本・韓国地区局長の加納國雄氏は増加の要因として、「2005年9月に香港ディズニーランドが開業し、ファミリー層が昨年の夏に訪れており、関東、関西圏以外からの訪問者も伸びた」と語り、訪れやすい距離、環境をアピール。今年は旭川、仙台、新潟、富山、金沢、広島、松山、北九州、鹿児島、沖縄と各地からのチャーター便を計画しており、引き続き日本各地からの訪問者の増加が期待でき、HKTBは各都市で旅行会社向けセミナーを開催し、支援していく考えだ。

 また、企業の景気回復でインセンティブ関係での香港訪問も堅調に推移。特にHKTBが実施する企業団体旅行を対象とする「バリューキャンペーン」の申込本数は2006年と2005年比で69%増の491件と大幅な伸び。加納氏は引き続き、返還10周年を契機としたキャンペーンの展開で「3泊から4泊で訪問でき、企業旅行の次の日に出社できる距離にあり、受入施設も整っていることをアピールしていく」という。ファミリーが堅調であること、企業需要の上昇気流を受け、加納氏は今年の目標として「約10%増を目指す」としている。


▽見本市も活況−旅行会社にビジネスチャンス大

 香港貿易発展局によると、今後約1年間、香港で開催される見本市への日本人参加登録者数は約1万1000人超。今後のスケジュールで、1年後までは確定して公表しているが、概ね開催日が大きくずれることはないという。例えば、電気機器は春に1000名超、秋には1100名超などと確定しているほか、ゲーム、ギフト、宝石関連の見本市は1000名超の日本からの参加者を予定している。こうしたことから、見本市に参加する出張需要を獲得するチャンスも大いにありそうだ。


▽主な見本市の参加者数(資料提供:香港貿易発展局)
エレクトロニクス産業(春)/1083人
家庭用品/959人
自動車部品産業/130人
ギフト産業/1828人
ファッション産業/529人
時計産業/557人
エレクトロニクス産業(秋)/1126人
照明・金属産業/537人
オプティカル産業/526人
おもちゃ・ゲーム/1233人
ファッション産業/698人
宝飾産業/1190人
映画産業/206人