関空、13万回視野−07年暦年で06年を上回り、夏スケも増加か

  • 2007年2月20日
 関西国際空港副社長の平野忠邦氏によると、2007年暦年ベースで2006年の発着便数を上回りそうな勢いだ。今年8月2日には、2本目の滑走路の供用開始を控え、財務省との合意事項である「13万回」が「見えてきた」(平野氏)という状態。特に、日中航空交渉の妥結により、関西国際空港と中国方面の貨物便が多く就航しているほか、旅客便でも中国線が「年末年始、春節と需要がついて来ている」(平野氏)という状態で、便数が増えた状態を維持できそうだ。

 この夏スケジュールで既に明らかなところでは、フィンランド航空の関空/ヘルシンキ線が6月中旬を目処にデイリー化するほか、トルコ航空の関空/イスタンブール線が7月1日から1便増の3便体制、ジェットスター(JQ)が3月25日から関西/ブリスベン/シドニー線と9月からの関西/ケアンズ線を就航、ガルーダ・インドネシア航空(GA)が関西/デンバサール/ジャカルタ線の週5便などを予定。これにより、運休も加味すると、旅客便では週10便の増加が予想されている。

 ただし、「13万回」を超えることは厳しい状況にある。これは週63便体制であった北米路線が現在は週14便と大きく便数が減少していることが主な要因だが、平野氏がたびたび言及している通り、早急な解決策は見込めない[参考記事:関空、北米路線で「第5の航空会社」に期待−平野副社長(07.01.19)]。

 これに関連し、平野氏はアジア・ゲートウェイ構想についても言及。航空分科会でも議論されている日本の空港の問題についても、「羽田、成田が拡張したとしても、2009年、2010年で、その容量もいっぱいになるのであれば、関西空港が首都圏の補完をしていく」という見通しを示している。実際のところ、エミレーツ航空(EK)、カタール航空(QR)をはじめ中東の航空会社が関空に乗り入れし、「羽田/関空/海外」というルートも確立されつつある。

 2本目の滑走路により、「本格的に複数の長距離滑走路を持つ空港として活用できる」としており、旅客・貨物の利用を活性化することで、仁川、香港、シンガポール、バンコクなどアジアのハブ空港の機能を強化と、国として持つインフラの重要性を訴えていく考えだ。