HIS、経常益24.7%増で配当金を増額、売上原価増も販売・一般管理費抑制

  • 2006年12月21日
 エイチ・アイ・エスの平成18年10月期連結決算は、売上高13.2%増の3289億8000万円、営業利益32.2%増の72億3500万円、経常利益24.7%増の80億8200万円、当期純利益は23.2%減の48億6700万円。経常利益ベースで増益を続けていることも受け、今期の配当は1株あたり期末配当を2.50円増の20.00円とすることを取締役会で決議、株主への利益還元を図る。配当総額は約6億6700万円。

 売上高の増加は、特に個人、若年層、海外旅行経験の豊富な層、レジャー層へと集中しつつ、市場拡大を狙いシニア層への取組み強化策としてインプレッソの拡充、ビジネスクラスの販売などを手がけるエグゼクティブセクションを強化。チャーター便の積極活用でも奏功するなど、堅調な推移を支えた。

 売上原価は14.1%増の2802億3900万円となり、売上高をやや上回る水準。ただ、販売費・一般管理費は4.8%増の415億400万円と売上と比較して増加を抑制。内訳は広告宣伝費が14.9%増の62億3000万円、給与手当は5.5%増の160億9300万円となっており、対外的に認知度向上などの施策を積極的に展開したようだ。

 HIS連結のうち、ATBが黒字化を達成。売上は12%減の154億円であったが、経常利益は昨年の1億円の赤字から1500万円と黒字に転じている。これについては今後も安定的な黒字化を目指す方針。

 なお、HIS単体の海外旅行方面別の売上高は全方面で増加し、15.3%増の2722億3100万円。取扱人数はオセアニア、ハワイ・グアム・サイパンで減少も全体では9.3%増の20万688人。売上増は燃油サーチャージのほか、ホテル等をはじめ地上手配分の高騰もあるが、人数増を上回る分は高額商品など、多方面の取組みが進んでいることが想定される。

 なお、今期(平成18年11月〜平成19年10月)は売上高15.5%増の3800億円、経常利益13.8%増の92億円、当期純利益7.9%増の52億5000万円を予想している。