伊・カラブリア州、日本人誘致に意欲、新ツアー造成の研修ツアーに協力

  • 2006年12月11日
 イタリア・カラブリア州は今後、日本人観光客誘致に積極的に取り組む。カラブリア州政府観光局は日本市場への進出にあたり、イタリア大使館やイタリア政府観光局などが実施する2007年の「イタリアの春」の観光関連イベント「新ツアー発表会」向けた研修ツアーに協力。ツアー最終日の夕食の席で、同州政府観光局のパスクアーレ・アナスターシ局長は「まだ市場は日本向けに成熟していない」としながらも、「日本人は観光に高品質な歴史・文化、料理を好む。これはわれわれが推薦するものにあっている」と自信を示した。

 カラブリア州はイタリア半島最南端の州。日本では、サッカーの中村俊輔選手が以前所属したクラブ「レッジーナ」の本拠地として馴染みがあるものの、それ以外の観光はまだ知られておらず、日本からの募集型企画旅行にはほとんど組み込まれていない。しかし、美しい海のあるトロペアは「イタリアのコート・ダジュール」と称され、ドイツ人を中心に夏のリゾート地として人気がある。また、先史時代や古代ギリシャ時代の遺跡が多く残り、特に「レッジョ・カラブリアの国立博物館」に展示されてる「リアチェのブロンズ戦士像」は、ほぼ当時の姿をとどめている遺跡として有名で、日本からも彫刻家がデッサンに来ることもあるという。

 その他、中世の石造りの城塞が美しいジェレーチェや昔ながらの陶器の街セミナーレ、海岸の美しいシッラなど、こじんまりとした魅力的な街がある。またグルメの点でも特産の唐辛子を多用するカラブリア料理が健康に良いとイタリア内の関心が高まっており、話題性もある。

 このほか同氏は来年、日本の旅行会社向けのイベント開催や、同州政府観光局のホームページに日本語表示を追加する予定を示唆し、日本市場を重視する姿勢を強調した。