松坂効果、デスティネーション側は経済波及効果に早くも期待を膨らませる

  • 2006年11月17日
 プロ野球・西武ライオンズの松坂大輔投手の交渉権を獲得した大リーグ球団が、ボストン・レッドソックスであることが報じられ、現地ボストンでは早くも日本人観光客の訪問につながるという好影響に期待が高まっている。旅行各社はこれまでもメジャーリーグ観戦ツアーを設定している。ただし、このところは若干、見慣れてきたこともあり、やや伸び悩んでいたところ。松坂選手が正式に契約すれば、イチロー選手や松井選手との対戦カードの観戦ツアーなどの人気は必至で、メジャーリーグ観戦ツアー自体の集客力を取り戻す可能性は高い。

 こうした流れから、ボストン側からは早くも、日本人観光客の訪問増加で経済波及効果を期待する声も出ている。プロモーションに一役を担うという意味では、ニューヨーク・ヤンキースの松井秀喜選手がニューヨークの観光親善大使に任命された前例がある。直接的な活動でなくとも、プレーで活躍することで広くボストンに注目が集まり、ボストンやマサチューセッツ州へのメディアでの露出、現地訪問者の口コミなど、幅の広がりに期待は及ぶ。

 マサチューセッツ州では来年2月ごろにセールス・ミッションが来日する予定だが、この頃には松坂選手の動向も確定しており、セミナー等での大きな話題の一つとなる。マサチューセッツ観光局の原晴一氏は「大きく期待をしています」とコメント、松坂選手の正式契約を待ち望んでいる。

 アメリカへの日本人訪問者数は、8月現在のところ3.6%減の245万6880人。ただし、アメリカ商務省、全米旅行産業協会(TIA)などプロモーションを展開しており、継続した活動が望まれている中、アメリカ本土への日本人送客の面からも起爆剤となることが期待される。