ザ・ペニンシュラ・東京、外資高級ブランドの進出は「歓迎」

  • 2006年9月28日
 ザ・ペニンシュラ・東京が2007年秋の開業まで約1年となり、このほどザ・ペニンシュラ、および親会社の香港上海ホテルズ社、三菱地所の首脳らが一同に介し、記者会見を開催した。香港上海ホテルズ社代表取締役兼最高経営責任者(CEO)のクレメントK.M.クウォーク氏は「1866年の会社創業から現在は香港市場に上場。1928年にフラッグシップであるザ・ペニンシュラを開業して以来、サービススタンダードを維持して提供している」と語り、ペニンシュラの名声を形作る「人」によるサービス提供、質の高さに重視したホテルを展開していることを強調した。
 また、三菱地所取締役社長(CEO)の木村恵司氏は「都市再生の一環として、東京・丸の内に所有する物件6棟の建て替えを98年に発表し、地域全体の価値が高まっている」とし、「業務だけでなく、文化の情報発信地」としてペニンシュラの役割は大きいという考えを示した。

 市場としては、これまで香港、バンコクにおいて、日本人利用者が多く、こうした「ペニンシュラ・ファン」のリピーターをまずは取り込むことを狙う。また、各地の百貨店に出展する「ペニンシュラ・ブティック」が今後も知名度を高める効果があるとの考えを首脳陣は示す。国際市場でも、ニューヨークやロンドンなど金融の中心地と比べ、「最高級ホテルは少ない」とコメントしており、各ホテルの最高級ブランドの東京進出が相次ぐ現状については「競争は歓迎」ともコメント。ただし、重要なことは「ペニンシュラ・スタンダードを忠実に守ること」とし、定評のあるサービスについてはスタッフの教育プログラムなどを通じて、高品質を維持する考えだ。

 地上24階建てのビルに客室数は47のスイートを含む314室。スーペリアは51平米、デラックスルームは54平米。香港で展開するスパ施設「ザ・ペニンシュラスパby ESPA」をはじめ、料飲部門では広東料理「ヘイフンテラス」、京都の老舗「つる家」など定評ある施設を用意。また、旗艦ホテルで定評のある「アフタヌーンティー」も提供。日本市場に合わせ、宴会施設も充実しており、全施設合計で900平米を超える。

 ザ・ペニンシュラ・東京は既に開業準備室を設置しており、総支配人にはパークハイアット東京の総支配人を務めたことのあるマルコム・トンプソン氏、マーケティング・ディレクターにはフォーシーズンズホテルなどで活躍した浅井信一路氏、広報ディレクターに小林一利マーク氏、ケータリング・ディレクターに大谷潤氏を置き、各種の活動を始めている。