STB、テクニカル・ビジットの需要堅調、団塊世代の旅行素材として提案

  • 2006年9月15日
 スカンジナビア3国へのテクニカル・ビジット(TV)の旅行需要が拡大している。日本からスカンジナビアへのTV目的の宿泊数は2004年から上昇傾向となり、現在4万泊を記録する。TVの中で最も人気の高いテーマは福祉(34%)、次いで環境(13%)、教育(6%)。都市計画、男女参画のテーマもスカンジナビアならではのテーマとして根強く人気がある。
 STBは13日、東京で旅行会社対象のTVセミナーを実施、ここでは特にデンマークのTVを中心に取り上げた。本国も一緒になり今後は、首都コペンハーゲンに偏っていた需要を地方へと誘致したい考え。これに際して、旅行会社の協力を得て日本からの送客を増やすことが地方への交通インフラの向上、現地の受入態勢の拡充に結びつくとし、協力関係の強化を求めた。
 また、マーケティング部部長の宮本拓氏はスカンジナビアにおけるTVに対して、「テーマをもち、現地の人々とふれあう機会をもてるテクニカル・ビジットはSITの要素も高い。団塊の世代が注目される中で、(TVが)今後、一つの重要なテーマになる」と述べ、TVを全面に打ち出していく考えを示した。宮本氏は、「団塊の世代はリタイアした後も、例えば地域ボランティアして、知識を還元しようとする。このことから、勉強としての旅行が今後一層でてくると思う」と説明。また、TVに参加するオーガナイザーの中で全体の33%でシェア1位を占める「企業」、28%で2位の「行政団体」、24%で3位の「NPO、NGO」と続く中で「NPO、NGO」が特にシェアを拡大する傾向にあることから、今後の需要拡大に期待を寄せた。