クルーズでも早期予約の促進を、クルーズバケーション木島氏が提案へ

  • 2006年8月23日
 日本旅行業協会(JATA)のクルーズ部会部会長を務めるクルーズバケーションの木島栄子氏はこのほど、クルーズイヤーの進捗状況について見通し、および今後の提案を語った。木島氏は、パッケージツアー全般で早期予約が定着している状況を捉え、クルーズを利用するパッケージツアーでも早期予約を促すキャンペーンを実施するよう呼びかける考えを示した。

 木島氏によると、今年の状況は邦船が飛鳥IIのメディアへの露出効果で順調、外国船も前年並みの集客をしているという。特に、旅行会社のパンフレットで「クルーズイヤー」を冠するパンフレットの作成などで、旅行の形態として「クルーズ」の認知が徐々に高まっているとの考え。
 クルーズイヤーそのものは、アウトバウンド、インバウンドの双方でクルーズ振興を目指しているが、北海道をはじめ、大阪、長崎、横浜など各地の港湾関係者をはじめとして、クルーズ船の入港を利用したイベントの開催について好感を示している。イベントを通じて、クルーズ旅行への需要掘り起こしにつながることへの期待は高い。

 クルーズでの早期予約の獲得については、「クルーズを良く理解していただいている旅行会社の方は、予約が非常に早い」という動きに言及。ただし、クルーズ市場の拡大を目指す際には、欧米市場が約1年前からの予約も多い状況も踏まえ、希望する客船、客室を確保するため、現在の日本での予約行動よりも早くする必要があることを広く伝える必要がある。最近ではホールセール商品において、各種の早期予約の特典を付け、消費者もこれに反応するようになっており、「特典は料金、サービス、インセンティブなどは各社の対応」と営業施策面ではなく、早期予約が促進される環境を作り出すことで足並みを揃えたい考え。本日開催予定のJATAクルーズ部会で提案する。

 ただし、早期予約にはキャンセルした場合の高額な取消料の発生がネックとなる。木島氏はこの点について「クルーズイヤーの新たな課題」とし、現状では欧米でのクルーズ取消料保険の導入については未知数にあることも示した。この保険が導入に至らない理由は、保険会社側で利用する人数が少ないことによる商品価値の問題、および消費者が予約と同時に「取消」に関する保険を掛ける必要性への理解が得られない現状との考え。こうした課題についても今後、旅行会社の取消料の扱いと共に検討されることにも期待は高いようだ。