ハンガリー観光局・ガラ総裁、日本市場の拡大に向けた意欲を示す

  • 2006年7月21日
(ブダペスト発 宮田麻未) ハンガリー、チェコ、スロヴァキア、ポーランドの4ヶ国は中欧ブームも手伝い、日本からの訪問者は増加傾向にある。この4ヶ国の観光局で構成するヴィシェグラード・グループ諸国(V4)観光局は、拡大基調を一段と確実にするため、ツアーオペレーターや旅行会社の担当者らと共に「V4スタディーツアー」というFAMツアーを実施している。ドナウ川のディナークルーズを会場として開催したレセプションに、ハンガリー政府観光局総裁のガラ・ガーボル氏、日本地区担当局長のコーシャ・バーリン・レイ氏などが参加、参加者と熱心に語りあった。

 ハンガリーは、ドナウ河流域を特集したNHKの大型ドキュメンタリー番組などの影響を受けて、2004年から飛躍的に日本人訪問者を伸ばしており、2005年度は12万人超が訪れた。2006年上半期の渡航者数は公式発表されていないものの、2004年から05年にかけて30%増を記録した高い伸びではないが、市場の拡大は順調のよう。これを受け、ガラ総裁は「日本はハンガリーにとって経済効果という面ではトップ5に入る重要なお客様。大幅な伸び率にも期待しており、このまま30%増を続けるべく努力したい」と日本市場でのデスティネーションの確立に向け、意欲を示す。宿泊実数で日本人は9位だが、ホテル、バス、その他、全てにおいて高級志向の日本人旅行者は、経済的な影響力ではトップ5に入るという。

 ハンガリー政府観光局は、日本人旅行者を迎える現地旅行関係者のため、サービス面で注意すべき点などを中心にワークショップを開催している。その効果もあり、ホテルでは朝食のブッフェに和風の品を加えたり、NHKのテレビ放送を導入するなど、日本向けサービスを始めたところもある。ブダペストの場合、温泉付きの高級ホテルで、特に日本マーケットへ積極的な姿勢を示しているという。
 ガラ氏は「ハンガリーの旅行業界は、日本人旅行者一般に好意的。日本人がハンガリーの歴史や文化に特別な興味を示してくれる」と述べ、ビジネス面でもスムースな関係が期待できると言う。
 また、コーシャ氏は「ハンガリーでは、大学での日本語教育が充実しており、日本語課の卒業生が旅行業界へ入る例が多い。ブダペストだけでも、十分に実力のある日本語ガイドが常時80人以上確保できる」と紹介、ソフト面で質の高い対応が可能であるとした。

 「V4スタディーツアー」は、ハンガリーからスロヴァキア、世界遺産の見学などを中心に、チェコ、ポーランドと視察する予定だ。