RCI、社長来日で日本市場の重要性を強調、アジア配船は慎重姿勢も意欲的

  • 2006年7月10日
 ロイヤル・カリビアン・インターナショナル(RCI)から、社長のアダム・ゴールドステイン氏、アジア・太平洋地区国際営業部長のラマ・レバプラガダ氏らデリゲーションが来日し、同社及び、親会社のロイヤル・カリビアン・クルーズ(RCC)傘下のセレブリティクルーズについての現状を記者会見で語った。

 会場では特に、アジアへの配船に関する質問が集中。ゴールドステイン社長はRCIの方向性のとして「世界中の人に楽しんでもらえるクルーズの提供」と「未来へ向けた顧客の開拓」を掲げ、そのためには「日本を含むアジアに船を持って行きたい」と意欲を示す。特に「日本は今後、大きく成長する市場」と述べ、「アジア展開する上ではずすことができない」と、重視する。しかし、具体的な時期については「世界の経済情勢を踏まえ、従来の香港や日本、シンガポールなどの重点市場に加えて中国も包括的に検討し、数年以内に発表」と、明言を避けた。ただ、アジア配船で日本に寄港する場合、外国からのフライ&
クルーズのしやすい港などを候補に入れ、日本のみならずアジアからの旅客をメイン・ターゲットに展開するという。

 また、レバプラガタ氏はセレブリティクルーズが来年、新たにオーストラリア、ニュージーランドに「マーキュリー」を配船し、オセアニアクルーズを開始することを述べ「RCCとして2つの(ブランド)のどちらかをアジア配船に持っていくための、次のステップになる。今後も引き続き(アジア展開の)研究をしていく」と、アジア配船への進捗をうかがわせた。


▽クルーズでのダイナミック・パッケージは?

 旅行業界の流通を変えるといわれる、ダイナミック・パッケージについても質問が及んだ。ゴールドステイン社長は「クルーズをベースにしたダイナミック・パッケージでの予約は難しく、そんなに数は出ていない」と、冷静な見方を示す。将来的には可能性はあると捉えているものの、RCIでは世界各地のGSAとともに、今まで築き上げた旅行会社とのセールス・マーケティングの手法を、今後も強固に行なっていくという考えだ。