船旅の魅力再生の懇談会、中間とりまとめで関東市場の開拓などを提言

  • 2006年6月30日
 国土交通省はこのほど、海事局長の私的懇談会「船旅の魅力再生のための懇談会」での中間とりまとめを公表した。これは国内の旅客航路において、利用者の減少があるものの、水辺の都市再生や地域再生の手段、また情報発信ツールとして注目されていることから、旅客船に求められているサービスについて方策を検討していたもの。

 中間とりまとめでは、船旅においても団塊世代やシニア層など急増が見込まれる市場への着目、また関東での市場開拓、業界全体での戦略による「国内旅客船による普段着の船旅」で需要の底上げを指摘している。特にこうした方向への実現には旅客船事業者と旅行会社、交通事業者、地域などが連携を強化するほか、情報発信の強化をうたっている。

 先ごろ国交省が発表した「2005年の我が国クルーズ等の動向について」において、国内の船旅旅客について外航クルーズ船の利用者は10.9%減の7万3900人、内航フェリー船は15.8%増の4400人。収集したデータに違いがあることから単純比較はできないものの、ピーク時の1995年は14万5500人となっており、厳しい側面の一端を示している。ただし、個別に取組みを進め、旅客動向が上向きに推移しているところもあり、航路を線として捉えるのではなく、目的地である場所を含み面として提案するような売り方についても示唆している。