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ネバダ州・ボンマリート氏、日米の観光促進はMOUに関わらず促進

  • 2006年5月11日
(オーランド発:鈴木次郎) 先ごろワシントンで開催された日米観光交流拡大促進協議会ワーキンググループ会合で共同議長を務めたネバダ州政府観光局局長のブルース・ボンマリート氏は、今後の日米間の観光振興について、「MOUの形に関わらず、促進する方向だ」との考えを示した。日米間の観光に関するMOUは2007年春に最終期限を迎え、今後の継続、日米双方の予算について関心も寄せられている。しかし、この発言はMOUという覚書の形式などにとらわれず、アメリカ側が日本からの旅行者受け入れに前向きに取り組む姿勢を示したものだ。
 ボンマリート氏は全米旅行産業協会(TIA)のロジャー・ダウ氏らが言及した全世界に向けたプロモーション予算の3億ドル(約330億円)の計画について触れ、「政府に対して民間が大きな声で発言し、働きかける」ことを前提とし、「ビジョンを政府に示すことが重要」と語る。今後、プロモーションに連邦政府から予算が継続的につくことは微妙だが、ダウ氏の言う予算が実現すれば、「日本は(アメリカ訪問者の市場で)重要な位置を占めることは間違いない」と言う。

 さらに、ボンマリート氏は、今回の会合で日本側が提案した親善大使の起用についても「マツイやイチローのような著名な『アイコン』に登場してもらうことは両国の観光促進につながる」との理解を示している。また、ボンマリート氏が直接関わるネバダ州についても姉妹都市交流では日本と盛んに行っているとし、こうした交流活動についても全米/日本各地が広く行うことについて協力する姿勢を示した。
 また、アメリカへの入国等についてはさまざまな問題を乗り越えて「ウエルカム」の姿勢を強調。特に、ラスベガスを含むネバダ州ではホテル従業員やタクシー・ドライバーに簡単な日本語の発音・意味を書いたカードを配布し、ホスピタリティ面の強化を図っているところだ。

 今後の日米観光交流拡大促進協議会ワーキンググループ会合は来年4月ごろを目処として開催される予定。ただし、ボンマリート氏自身は6月に来日し、日本旅行業協会(JATA)の新町会長や石山事務局長など、今回の会合の参加者と意見交換をするほか、9月にもJATA世界旅行博期間の来日で話し合いをする意向だ。