JALG、18年度3月期決算で純損益472億円、今期は黒字めざす

  • 2006年5月11日
 JALグループの平成18年度3月期決算(平成17年4月1日〜平成18年3月31日)の連結決算は、17年度3月期の300億9600万円の黒字から一転、当期純損益は472億円の赤字となった。売上高は3.3%増の2兆1993億8500万円、営業損益が268億3400万円、経常損益416億800万円となった。燃油価格の高騰で燃油費が前年比882億円増の3772億円となったほか、安全運航上のトラブル、および国際線、国内線の旅客の伸び悩みが影響した。

 国際線旅客は米大陸線、韓国線、台湾線などが堅調に推移したものの、欧州線、東南アジア線が若干前年を下回り、オセアニア線も低調となり、有償旅客数が前年比3.8%減の1418万7626人となった。リゾート路線の減便、運休やビジネス路線の増便による路線運営の見直しもあり、有効座席キロは前年比2.3%減、有償旅客キロは2.2%減の674億3461万3000人キロ。また、運賃の改定や燃油サーチャージの追加徴収、円安に触れ単価が約5%上がり、旅客収入が前年比2.8%増加して6902億2600万円となった。
 JALグループの旅行企画販売事業であるジャルパックは、JALグループが行ったリゾート路線の見直しで取扱人数の減少に伴う減収、ジャルツアーズは沖縄方面を中心に取扱人数を増やし増収となった。旅行企画販売事業セグメントの売上高は4153億円、営業利益は6億円だ。

 また、平成19年度3月期の連結見通しは売上高2兆3010億円、連結営業利益170億円、連結経常利益5億円、および連結当期純利益30億円を想定している。JALグループは中期経営計画初年度にあたり、低収益路線の見直し、機材のダウンサイジング、JALウェイズ(JO)の運航路線拡大などで収支改善を図る。日本航空代表取締役専務、資金担当で次期社長を務める西松遙氏は、「今後は旅客へのダイレクトセールを含め、国際線のビジネスクラス、ファーストクラスの需要増加を目指す」と語り、特に企業向けの営業など積極的に進める意向だ。さらに、燃油価格の高騰で平成19年度は燃油費が4000億円となる見通し。西松氏は、「燃油高騰の懸念は大きいが、燃料の約80%をヘッジしており、影響は限定されている」と説明した。


▽国際線
旅客収入/6902億2600万円(2.8%増)
有償旅客数/1418万7626人(3.8%減)
有償旅客キロ/674億3461万3000人キロ(2.2%減)
有効座席キロ/971億7477万7000席キロ(2.3%減)
有償座席利用率/69.4%(0.1ポイント減)

▽国内線
旅客収入/6599億9800万円(2.2%減)
有償旅客数/4384万8755人(1.9%減)
有償旅客キロ/329億1053万5000人キロ(1.4%減)
有効座席キロ/514億1581万3000席キロ(1.9%減)
有償座席利用率/64.0%(0.3ポイント減)