グリーングローブ、日本支部設立、環境に配慮した観光を目指す

  • 2006年4月10日
 グリーングローブはこのほど、日本支部を設立した。グリーングローブ・アジア太平洋兼グリーングローブ・アジア太平洋会長のフランク・モア氏が来日、太平洋アジア観光協会(PATA)会長で日本航空顧問の石榑信孝氏、日本旅行業協会(JATA)会長の新町光司氏をはじめ、環境省、国土交通省へ訪問、支援要請をした。モア氏はこれまでの実例として世界遺産のある地域でエネルギー削減に取り組んだ実例などを挙げ、「10万米ドル、189万トンの二酸化炭素の排出削減をした」などとして、環境だけでなく、コストとしても効果のある活動をアピール。旅行業界でも、ツアーオペレーターではグリーングローブ認定の観光施設をホールセールに対して提案をするなど、旅行会社でも認知されはじめたところ。グリーングローブ日本支部では今後、認知度の向上を目指した活動を積極的に行う計画だ。

 グリーングローブは旅行、観光業界の環境に配慮した認証プログラム。オーストラリアでは観光産業が年間で国全体の12%にあたる50メガトンの温室ガス効果を排出、こうした環境的側面を考慮し、観光において消費者、旅行者、旅行産業が世界的に取り組む課題と位置づけ、活動を薦めている。旅行会社、航空会社、ホテル、空港など旅行を構成する中心事業だけでなく、ゴルフ場、レストラン、レンタカー、アトラクションなど観光産業全体を網羅する。グリーングローブの認証は登録・認知、評価基準に照らしたベンチマーキング、認証の3段階で進む。
 このプログラムはISO14001と重なるが、大きく異なる点は現実に結果を導き出す点。ISOはプロセスを重視することから、取得後の実践で書面が多く分かりにくい、年々の向上や変化が見えにくいという批判がある。グリーングローブはパフォーマンスを重視し、CO2の削減など環境負荷を減らすこと。さらに、電力消費量の軽減や節水などで経費削減のメリットもあるという。